この記事の読みどころ
- 米国の中古住宅販売件数は、前回11月は2007年2月以来の高水準でした。
- 日本銀行が公表する企業向けサービス価格指数はプラス圏で推移しています。
- 米国のGDPは、前回7-9月期に過去2年間で最も高い成長率となりました。
今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひチェックしましょう!
2007年2月以来の高水準となった米国の中古住宅販売件数
1月25日(水)00:00(日本時間)に、米国の12月中古住宅販売件数(前月比)が発表されます。
同指標は全米不動産業協会(以下、NAR)が公表するもので、景気動向に対して先行性が高い経済指標となっています。また、米国の場合、新築住宅より中古住宅の方が約10倍の市場規模があるため、要注目の指標とされています。
前回、11月の同指標は+0.7%(前月比)となり、2007年2月以来の高水準となりました。
今回、12月の同指標の市場予想は、-2.0%(同)となっており、今後の金利上昇局面における同指標の動向に注目が集まりそうです。
プラス圏で推移する日本の企業向けサービス価格指数
1月26日(木)8:50に、12月企業向けサービス価格指数(前年同月比)が発表されます。
同指数は日本銀行が公表し、企業間で取引される「商品(モノ)」ではなく、「サービス」価格の値動きを指数化したものです。
消費者が支払う希望小売価格には、卸売価格にいくつかのサービス価格が乗せられています。したがって、企業向けサービス価格の値動きを知ることは、消費者目線での物価水準を知ることにもつながります。
前回、11月の同指数は、+0.3%(前年同月比)となりました。特に、広告と不動産及び宿泊サービスの伸び率が鈍化しています。
今回、12月の同指標の市場予想は+0.4%(同)となっています。
過去2年間で最も高い成長率となった米国のGDP
1月28日(土)00:00には、米国の10-12月期四半期実質国内総生産(GDP・前期比年率)が発表されます。
同指標は米国商務省経済分析局が公表し、世界中のマーケット参加者が、この「前期比年率」を重視しますが、あくまで該当四半期に限定された「瞬間風速」である点に注意しましょう。
なお、メディアでよく用いられる「経済成長率」とは、名目GDPから物価変動の影響を除いた「実質GDPの成長率」を指します。
前回、7-9月期の同指標は+3.5%(前期比年率)と、過去2年間で最も高い成長率を達成しました。
今回、10-12月期の同指標の市場予想も+2.2%(同)となっており、今後の動向に注目が集まりそうです。
【参考情報】各経済指標の元データ
米国の中古住宅販売件数は全米不動産業協会(NAR)のウェブサイト、企業向けサービス価格指数は、日本銀行のウェブサイト、米国のGDPは、商務省経済分析局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。