5日には米10月雇用統計が発表されます。雇用者数などが伸び、経済が回復していると見られれば市場には追い風ですが、そのために利上げ観測が強まると株価の下落要因になります。投資家がどのように判断するのか注目されます。
なお、3日(水)は文化の日の祝日で、東京株式市場は休場です。
複数の移動平均線が収れんし、煮詰まる
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は75日線付近で下げ止まったことから、これを維持できるかどうかがポイントでした。
25日(月曜日)はローソク足のヒゲが75日線にかかりながらも終値では75日線を維持。翌26日には窓をあけて上昇すると陽線となり、終値ベースで2万9000円を突破しました。しかし、その後は伸びませんでした。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線の動きを見ると、これらの3本の移動平均線が値幅300円未満の範囲に収れんしています。煮詰まっていて、なかなか方向感が出ない状態です。ローソク足もペナントのような形になっています。
今週、どちらに放れていくかがポイントです。ただ、ローソク足は25日線、75日線、200日線の3本の移動平均線よりも上にあります。このまま上放れするようであれば、直近の上値メドは10月20日の高値(2万9489円)になります。そこを抜けると視界が広がっており、9月14日の高値(3万0795円)まで期待できます。
逆に、今週、これらの移動平均線を再度割り込むようなことになると警戒が必要です。その場合の下値メドは、直近の押し安値である10月6日の安値(2万7293円)、8月20日の安値(2万6954円)あたりになります。
ただし、これらまでは距離があるため、急激に下落するというよりも、もみ合う展開になるでしょう。中長期的には上昇トレンドを維持しているので、若干の調整があっても押し目買いの好機と考えていいでしょう。
下原 一晃