現役時代の働き方別、年金の平均額は?
他にも一つの目安として、日本年金機構が老齢年金の受給者5万5000人に調査した「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」から、今の65歳以上の現役時代の働き方別の年金額を見てみましょう。
【現役時代の経歴類型別】老齢年金受給者の公的年金の平均月額
- 正社員中心:16万6000円
- 常勤パート中心:9万円
- アルバイト中心:8万1000円
- 自営業中心:8万2000円
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:9万1000円
- 中間的な経歴:9万2000円
※「正社員中心」…20~60歳の間のうち、20年を超えて正社員だった方(他も同様)。
※「中間的な経歴」…いずれの職歴も20年以下だった方。
働き方により差があり、最も多いのは正社員中心で働かれた方です。その他の経歴では、月10万円以下だとわかります。正社員以外の方は、早いうちから老後資金の準備を始めておくと安心でしょう。
年金額が少ない!どうする?
想像していたより年金が少ないかも……という方は、不足する金額を補ったり、貯蓄を増やしたりするようにしましょう。
たとえば60歳までに老齢基礎年金の受給資格である10年を満たしていない方や、老齢基礎年金の受給予定額が満額に達していない方は、「任意加入制度」を利用して60歳以降も国民年金に加入することで、65歳以降の年金額を満額に近づけることができます(ただし60歳以降も厚生年金に加入していると利用できません)。
また、国民年金の第一号者と任意加入被保険者は、月額400円の「付加保険料」を納付することで、「200円×付加保険料納付月数」の付加年金が老齢基礎年金に上乗せされます。納付した保険料は2年ほどで取り戻せる制度なので、利用を検討されても良いでしょう。
自分で運用して年金を作る、iDeco(個人型確定拠出年金)という制度もあります。iDecoは通常20.315%かかる運用益が非課税になる制度。元本割れのリスクがあり、受給できるのは運用成績次第になりますが、長期間かけてコツコツと積立てを行うことでお金を増やす可能性を上げられます。
他にも国民年金のみの方は国民年金基金で上乗せをしたり、働き方を変えて厚生年金に加入したりする方法があります。どの方法が自分に合っているか、ライフプランとあわせて考えてみてくださいね。
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参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省年金局数理課「公的年金受給者に関する分析-配偶者の状況と現役時代の経歴(就労状況)からみた年金受給状況-」
- 日本年金機構「任意加入制度」
- 日本年金機構「付加年金保険料の納付のご案内」
宮野 茉莉子