老後資金、いくらを、いつまでに貯めるべき?
「老後資金はいつまでに、いくら貯めたらいいかよく分からない」という方は多いのではないでしょうか。
具体的な金額でいえば、2019年に話題になった「老後2000万円問題」を思い浮かべる方が多いでしょう。「老後2000万円問題」を簡単に説明すると、夫婦ふたりだけの場合老後年金だけでは生活費が2000万円足りなくなるという問題です。
しかし、この2000万円問題には介護費用が含まれていません。
入居する施設にもよりますが、介護費用は一人あたり1000万円から2000万円みておくといいでしょう。そのため、将来は夫婦ともに施設に入居するとなれば、老後資金も含めて4000万円~6000万円程度を用意しておくと安心ですね。
あわせて、公益財団法人生命保険文化センターの「『老後』とはいつから?」をもとに、老後資金の使用開始年齢も見ていきます。
老後資金の使用開始年齢
- 59歳以下:1.2%
- 60歳:14.4%
- 61~64歳:1.5%
- 65歳:39.7%
- 66~69歳:1.9%
- 70歳:20.9%
- 71歳以上:4.9%
- わからない:15.4%
老後資金の使用開始年齢のボリュームゾーンは、65歳が最多の39.7%となっています。
次いで、70歳が20.9%なので、シニアの多くは「65~70歳までの間」に老後資金を貯め終わって、貯蓄を切り崩して使う段階に切り替えていっているのがわかりますね。
一つの目安として、65歳までには貯め終えるように考えておくといいでしょう。
老後資金の準備はいつから、どうやって?
では、老後資金を65歳ころまでに貯めるには、どうやって準備をしたら良いでしょうか? 大きな金額となる老後資金を準備する手段として考えたいのは、預金にあわせて、iDecoやつみたてNISAを利用することです。
iDecoやつみたてNISAは、投資して得た利益や分配益を非課税で受け取れる制度です。通常は20.315%の税金がかかりますから、投資に興味を抱いていた方でもはじめやすいですね。
預貯金と違って投資商品なので、元本の保障はないのが原則です。ただ、毎月コツコツと積み立てて長期で運用することで、複利の力を活用し、資産を雪だるま式に増やすことも可能です。
リスクがあるので、まずは知識をつけることが大切です。今は理解しやすい無料動画を見たり、オンラインセミナーに参加したりして情報収集ができる時代。できれば30代ころから資産運用を活用して、長い老後に備えてみるのはいかがでしょうか。
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参考資料
- 公益財団法人生命保険文化センター「『老後』とはいつから?」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」
鶴田 綾