2021年10月19日に公表された明治安田生命が0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1100人(うち女性550人)に行った「子育てに関するアンケート調査」によると、子育て中の女性の収入は過去最高で163万円でした。
一方で、厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」では、母子世帯の母自身の平成27年の平均年間収入は243万円です。
子育て中の働き方は、周囲に頼れる人がいるかや子どもの年齢などに大きく左右されるもの。産後に退職してブランクがあったり、育児環境により働き方をセーブしたりする女性もいるでしょう。
生活費や子どもの教育費、自分の老後資金などを捻出していくためにも、できるだけ余分な支出は下げたいところ。シングル世帯のお財布事情と、生活する上でのお金の工夫についてご紹介します。
単身世帯の平均年収と貯蓄は?
一般的に母子家庭には、所得に応じて児童扶養手当やひとり親家庭等医療費の助成があります。ただ母子家庭の母の平均年収は、先ほど確認したように243万円。就業状況を見ると、「正規の職員・従業員」が44.2%、「パート・アルバイト等」が43.8%です。
国税庁の「令和2年分(2020年)分 民間給与実態統計調査」から、正規・非正規の平均給与をそれぞれみてみましょう。
正規
平均給与: 496万円
- うち男性:550万円
- うち女性:384万円
非正規
平均給与:176万円
- うち男性:228万円
- うち女性:153万円
非正規の方の平均給与は、正規の方の約半分以下になります。
仕事と育児の両立の難しさから、非正規で働くシングルマザーの方も少なくありません。こういった給与の差をみると、子どもの成長にあわせて働き方についても考えていきたいですね。
貯蓄に関する一つの参考として、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」から、30~60代の単身世帯の貯蓄の平均値と中央値をみていきます。
単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 30代:平均値・327万円/中央値・70万円
- 40代:平均値・666万円/中央値・40万円
- 50代:平均値・924万円/中央値・30万円
- 60代:平均値・1305万円/中央値・300万円
上記を比較してみると、平均値は年齢が上がるごとに約300万円前後上がります。一方の実態に近いであろう中央値では、50代まで100万円に届きません。60代の中央値300万円は、退職金が影響していると考えられるでしょう。貯蓄を保有する人と、持たざる人との差がみえてきます。
では、シングルマザーがひとりで生きていく上でのお金の工夫を3つみていきましょう。