車を保有するか、保有するならいつまでか
「支出を抑えたい」と考えたとき、まずはじめたいのが固定費の見直しです。生活費の中で最も多くを占めるのは家賃でしょう。どこに住むかは大切な問題ですが、同時に考えたいのが車を保有するか、保有するならいつまでかです。
自動車の購入価格は新車なら一般的に100万円以上かかり、定期的に買い換える必要があります。一般社団法人 日本自動車工業会の「2019年度乗用車市場動向調査の概要」によると、前保有車(買い替え前に保有していた車)の保有期間は平均7.1年(新車で7.7年、中古車で5.9年)。年々長期化しており、新車では10年超の長期保有者が約3割を占めますが、それでもおよそ10年ごとにまとまったお金がかかります。
また、車検や自動車税、任意保険料、ガソリン代、駐車場代などの維持費もかかります。同調査による、車の年間維持費は以下の通り。
年間維持費(2019年・四輪自動車保有層)
- ~10万円:8%
- ~20万円:26%
- ~30万円:26%
- ~40万円:14%
- ~50万円:13%
- それ以上:14%
「~20万円」と「~30万円」が26%ずつ。維持費の負担については46%が「大きい」と答えています。中でも「車検代」が約9割、「自動車税」や「任意保険料」は7割以上が負担感が大きいと感じています。
車を保有する限り、10年ごとの買い替えや年20万円前後の維持費が必要になります。仕事をしている間は支払いができても、定年後には大きな負担になるでしょう。保有する限り、「何歳まで運転できるだろう」といった不安も残ります。健康なときは運転できても、病気をすると思うように運転できない場合もあるでしょう。
ただ、車のいらない場所は家賃が高いイメージもあります。とはいえ主要部から少し離れた街なら家賃が想像していたより高くなかったり、地方都市では車がなくても生活できたりする地域があります。
住む地域の選びようによっては、車を保有しないほうが生活費が安く、また「買い替え続けないといけない」という不安を持たなくて済みます。
シングルマザーの場合、仕事と育児を両立する上では当面車が必要という方もいます。そういった方でも、車をいつまで保有するかを考えてライフプランを練るといいでしょう。