「繰下げ・繰上げ」90歳まで生きたらトータルの受給額はいくら?
最後に、先述の平均受給額を「繰下げ受給」「繰上げ受給」することで、年金額の総額はどのくらい変わるか比較してみます。
厚生労働省「令和2年度版 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.64歳、女性は87.74歳。では、人生100年時代を踏まえて90歳まで年金を受給するケースを想定してみましょう。
国民年金
- 【60歳から受給するケース】約3万9162円×12ヶ月×30年=約1409万8320円
- 【65歳から受給するケース】約5万5946円×12ヶ月×25年=約1678万3800円
- 【70歳から受給するケース】約7万9443円×12ヶ月×20年=約1906万6320円
- 【75歳から受給するケース】約10万2940円×12ヶ月×15年=約1852万9200円
厚生年金保険(第1号)
- 【60歳から受給するケース】約10万987円×12ヶ月×30年=約3635万5320円
- 【65歳から受給するケース】約14万4268円×12ヶ月×25年=約4328万400円
- 【70歳から受給するケース】約20万4860円×12ヶ月×20年=約4916万6400円
- 【75歳から受給するケース】約26万5453円×12ヶ月×15年=約4778万1540円
この金額の動きをご覧になって、いかがだったでしょうか。
「繰下げ受給ができそうか」、もしくは「繰上げ受給が必要か」といった判断は、貯蓄や健康状況、就労状態によるところが大きいでしょう。しかし、ただひとつ言えるのは、どのタイミングで受け取っても、公的年金だけを頼りにする老後の暮らしはかなり心許ないであろう、ということです。
年金生活を安心して過ごすことができるように、現役時代のうちにしっかりと老後のお金の準備をすすめておきたいものですね。
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参考資料
- 内閣府「令和3年度版高齢社会白書」
- 日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」
- 厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」
- 厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」
宮内 勇資