なお、保育園は厚生労働省管轄のため、学習費調査に相当するデータはありませんが、幼児期に習い事に通うことは珍しいことではなくなっています。

さらに、小学校では2020年度から英語教科化やプログラミング教育がスタート。それに伴って就学前の習い事も多様化しています。幼保無償化で浮いたお金を習い事に回した家庭も少なくないのではないでしょうか。

先行き不透明な時代、子育て費用のシミュレーションを

幼保無償化は子育て世代の家計負担軽減を目指して始まりました。あれから2年が過ぎましたが、コロナ禍で生活様式が激変し、子育て世代も大きな影響を受けています。直近は新規感染者数は減少していますが、いつ新たな変異株が出現するか、経済状況への影響がいつまで続くのか、見通しが立たない状況です。

また、世界が不安定化しているなか、今後も社会が激変するような出来事が起きないとも限りません。給与の伸びが期待できないどころか、収入減のリスクと隣り合わせにある時代に、無償化だけを手放しで喜んでいる余裕はないでしょう。

家庭にもよりますが、やはり20歳前後まで教育費はかかります。「まだ小さいから」と楽観視せず、子どもの進学や進路のシュミレーションを複数行い、長い目でお金の流れを考えて備えることは平時から意識したいところです。

参照資料

「幼児教育・保育の無償化」について(内閣府)
平成30年度 子供の学習費調査(文部科学省)

中山 まち子