この記事の読みどころ

  •  独ZEW景況感指数(期待指数)によると、ドイツ経済は堅調に推移しています。
  •  米国の住宅市況については、大統領選後の住宅ローン金利の動向を見極めたい状況です。
  •  中国のGDP成長率は横ばいが継続する見通しです。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひチェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

堅調に推移するドイツ経済

1月17日(火)19:00に、ドイツの1月ZEW景況感指数(期待指数)が発表されます。

同指数はドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が公表するもので、約半年先のドイツ国内の景気見通しを示すため、マーケット参加者にも注目されています。

前回、12月の同指数は13.8となりました。これは11月と同水準で、同国のマクロ環境が堅調に推移していることが示されました。

今回、1月の同指数の市場予想は18.4と、同国の景気拡大が加速する見通しとなっています。ドイツのGDPはEU全体の約20%を占めているので、今後の動向に引き続き注目が集まりそうです。

住宅ローン金利の動向を見極めたい米国の住宅市況

1月19日(木)22:30に、米国の12月建設許可件数(年率換算件数)が発表されます。

同指標は商務省センサス局が公表し、住宅着工件数より先行性があるため、米国の景気先行指数にも採用されています。

前回、11月の同指標は120.1万件(年率換算件数)となり、市場予想の124.0万件(同)を下回る内容となりました。

今回、12月の同指標の市場予想は122.0万件(同)と回復する見通しです。

今後、米国の住宅市況の見通しに関して、大統領選挙後の住宅ローン金利の上昇が継続するかどうかを注視していく必要がありそうです。

横ばいが継続する中国のGDP成長率

1月20日(金)11:00に、中国の10-12月期四半期国内総生産(GDP・前年同期比)が発表されます。

同指標は中国国家統計局が公表し、マーケット参加者の注目も高いものとなっています。ただし、中国のGDPには問題点もあります。詳しくは、筆者が以前執筆した記事をご参照ください。

前回、7-9月期の同指標は+6.7%(前年同期比)となり、市場予想と一致する水準でした。

今回、10-12月期の同指標の市場予想も+6.7%(同)と、7-9月期と同水準となっており、中国のGDP成長率は横ばいが継続する見通しです。

【参考情報】各経済指標の元データ

ZEW景況感指数は欧州経済研究センターのウェブサイト(英語版)、米国の建設許可件数は商務省センサス局のウェブサイト、中国のGDPは中国国家統計局のウェブサイト(英語版)をそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎