年金保険料や老齢年金額ってどう決まるの?【基礎年金・厚生年金】

では、現役世代が納める年金保険料や、老後に受け取る年金額がどのように決まるかを見ていきます。

国民年金(基礎年金)保険料

国民年金(基礎年金)の保険料は全員一律で、その月額は「1万7000円×保険料改定率」で計算されます。ちなみに、2021年度の国民年金保険料は月額1万6610円です。

老齢基礎年金の受給要件

原則として受給資格期間が10年以上あることが必要となります。

保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間≧10年

※「受給資格期間」:保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間(カラ期間)。以前はこの合計が25年以上あることが受給条件でしたが、現在は大幅に緩和されて10年になっています。

老齢基礎年金・満額の年金額

20歳から60歳になるまで40年間(480カ月)保険料を欠かさず納めた場合、原則65歳から「老齢基礎年金」の満額を受給できます。2021年度の老齢基礎年金の満額は月額6万5075円。

保険料を納めていない期間に応じて満額から差し引く形で、実際の支給額が決まります。

厚生年金保険料

原則65歳から受け取る老齢厚生年金の年金額は、「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」の式で求められます。

報酬比例年金額は、「標準報酬月額(※1)」や「標準賞与額(※2)」に一定の保険料率をかけ、さらに最近の賃金水準や物価水準で再評価するため「再評価率」を乗じます。いずれにせよ、稼ぎに応じて保険料が決まるのです。

経過的加算とは、20歳前、あるいは60歳以後に厚生年金に加入した期間がある場合に、その間の基礎年金相当額が加算されるもの。加給年金額は、「厚生年金の家族手当」などとも呼ばれるもので、65歳未満の配偶者か子を扶養している場合に加算されるものです。

※1 標準報酬月額:毎年4月~6月の月収の平均値。32等級に区分され、等級ごとに金額が決まる
※2 標準賞与額:賞与支給額から1000円未満を切り捨てた額。1回あたり150万円が上限

老齢厚生年金の受給額・受給要件

国民年金とは異なり、厚生年金の場合、現役時代の収入が老後の年金額を左右しますので、実際に受け取る金額は人それぞれです。

原則支給の老齢厚生年金の受給要件

  • 65歳以上で、老齢基礎年金の受給資格期間10年以上満たしていること
  • 厚生年金の被保険者期間が1カ月以上あること

次では、国民年金(基礎年金)・厚生年金、それぞれの実際の受給額事情を見ていきます。

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