そのため、我が子に対して親がこうした将来像を思い描くのは自然なことと言えるでしょう。子どもの幸せを願い、金銭面が許す限りあらゆる手段を対策を講じる。負け組にならぬように予防線を張る…。一見すると子ども思いな親にも見えますが、親が思う「勝ち組」が子どもにとって勝ち組だとは限りません。

※調査対象:25歳から69歳の男女2368人

親世代の固定観念で考えることの弊害

親が子どもを無理に勝ち組の型にはめようとすると、得てして子どもに精神的苦痛を与えることになり、取り返しのつかない事態を招くきっかけにもなりえます。

また、親世代には馴染みのないものも含め、社会には様々な仕事があります。たとえば、近年注目を集めているビッグデータを分析して課題解決につながる知見を見出す「データサイエンティスト」という職種は、30年前には存在すらしていませんでした。

さらに、コロナ禍でIT化やAI活用が加速する中、今後は親世代の学生時代や就職活動をしていた頃には存在しなかった職種が多数誕生しても何らおかしくはありません。

つまり、親世代の固定観念に基づく「成功」を妄信してしまうと、子どもの個性を潰し、掴めるはずだったチャンスを自ら手放してしまう可能性もあるのです。