日本でのマイクロチップ対応の経緯

では、このマイクロチップは日本ではどのような位置づけになっているのでしょうか。日本国の法改正に着目してまとめてみます。

まず、2004年に「犬等の輸出入検疫規則」の改正が行われました。この改正により、動物検疫で、動物を日本へ輸入する場合にISO規格のマイクロチップの装着が義務化されました。これが、法律にマイクロチップが初めて登場するタイミングです。

つづいて、2005年には「外来生物法」の施行・「動物愛護管理法」の改正により、カミツキガメやアライグマなどの特定外来生物へのマイクロチップの装着や、トラやクマなどの特定動物(危険動物)へのマイクロチップによる動物個体の識別措置等が義務化されました。

ただ、この段階では国内でペットとして飼う犬・猫へのマイクロチップ装着は義務付けられていません。

続いて動きがあったのは2012年の動物愛護管理法改正です。この時に法施行後5年を経過した場合の見直し条項が規定されており、その中に「マイクロチップの装着の義務づけ」が盛り込まれました。これに基づいて2019年に動物愛護管理法が改正・公布されたものが、冒頭で紹介した2022年(令和4年)6月1日に施行されるものです。

最初にマイクロチップ関連の法改正が行われてから犬・猫への装着・登録が義務化されるまで、17年の年月が経っているということになります。