65歳まで定年延長が義務化され、60代でも現役でお仕事されている方も多くいらっしゃるでしょう。定年間近、一つの関心事といえばご自身のセカンドライフに関わる「お金」の問題ではないでしょうか。40年以上もらってきた給料がなくなり、年金や貯蓄で生活をしていくことに漠然とした不安を抱える方も多いと思います。
そんなセカンドライフ目前や、すでにセカンドライフがスタートした60代の貯蓄に大きな格差が生まれているのはご存知でしょうか。貯蓄ゼロの世帯がいる一方で、貯蓄3000万円以上の世帯も2割いるようです。
本日は、大手保険会社で勤務経験のあり、セカンドライフの相談を多く受けてきた筆者が60代のリアルな貯蓄事情を眺めていきます。また、現役世代のわたし達が老後に「貯蓄3000万円以上」の世帯になるために、今できることも考えていきたいと思います。
60代の貯蓄の目的は
まずは、60代が何を目的に貯蓄をしているか見ていきましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」によると、「金融資産の保有目的(金融資産保有世帯)」によると、貯蓄の目的は下記の通りです。
【60代・金融資産保有目的】(3つまで複数回答)
- 老後の生活資金…80.3%
- 病気や不時の災害への備え…61.5%
- 旅行、レジャーの資金…13.2%
- とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心…19.4%
- 耐久消費財の購入資金…20.3%
- 遺産として子孫に残す…11.4%
- 住宅の取得・増改築などの資金…11.4%
- 納税資金…2.5%
- こどもの教育資金…3.4%
- こどもの結婚資金…2.8%
- その他…6.8%
やはりいちばんの目的は「老後の生活資金」、次いで「病気や災害への備え」でしたね。10万円以上かかることもある「耐久消費財の購入資金」や、毎日が日曜日と言われるセカンドライフなので「旅行、レジャー」も上位に入っています。