まずは自分の年金額を把握しよう
そもそも、先ほどの老後2000万円問題の試算の収入は、夫婦ふたりを合わせた金額です。おひとりさまは収入は1人の年金になるため、まずは「自分がいくら年金を貰えるのか」を把握しておく必要がありますね。
ちなみに今のシニア世代の平均受給額は以下のとおりです。
国民年金平均年金月額（自営業、フリーランスの方など）
- 男性：5万8866円
- 女性：5万3699円
平均額：5万5946円
厚生年金平均年金月額（会社員や公務員の方など）
- 男性…16万4770円
- 女性…10万3159円
平均額：14万4268円
※老齢基礎年金（国民年金）も含まれます
男性の厚生年金は約16万円、女性は約10万円。国民年金なら男女ともに約5万円です。今の働く世代はこれより年金額が下がる可能性もあるため、公的年金のみでは生活できないでしょう。不足分を個人年金保険やiDeco（個人型確定拠出年金）などの私的年金で補ったり、貯蓄を用意したりする必要がありますね。
今は60代を超えても働く人も増えているので、元気に働ける間は働くことも大切です。定年後も続けられる仕事や、最近種類の増えている副業なども検討してみてはいかがでしょうか。
同時に考えたいのが、自分で働いてお金を増やすだけでなく、資産運用で「お金に働いてもらう」方法です。さきほどのiDecoやつみたてNISAなどは、自分で資産運用しながら毎月コツコツと積み立てていくもの。運用益が非課税など国の後押しもあるので、はじめての方に良いでしょう。
資産運用はリスクがありますが、家にいながらでも、定年後でもできるというメリットがあります。投資先を分散して、20～30年と長期で毎月コツコツ積み立てる方法なら、リスクを抑えながらお金を増やすことも可能です。
「お金を増やすスキル」はいくつあっても無駄にはなりません。「自分で働く」「お金に働いてもらう」という2つのスキルで、貯蓄をコツコツと増やしていきたいですね。今はオンラインセミナーなども充実していますから、時間に余裕のあるときにまずは見てみるといいでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和2年）」
- 金融審議会「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」
- LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
- 厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」e-stat統計表一覧
宮野 茉莉子
