老後2000万円問題、おひとりさまはどれくらい気にしたらいい?
老後資金について話題となった「老後2000万円問題」は、おひとりさまの場合どれほど気にしたら良いのでしょうか。このもととなった金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」を参考に、詳細を見てみましょう。
主に年金が占める実収入が約21万円、実支出が約26万円で、赤字分を老後30年間で計算して約2000万円なのですね。
この中でも、支出の内訳を見ていきます。
支出の内訳
- 食料:6万4444円
- 家具・家事用品:9405円
- 住居:1万3656円
- 光熱・水道:1万9267円
- 交通・通信:2万7576円
- 保健医療:1万5512円
- 教養娯楽:2万5077円など
これは夫婦ふたりのため、1人であれば食費や家具・家事用品、光熱・水道、交通・通信、教養娯楽など低くなることが考えられますよね。
一方で、住居費は1万3656円です。賃貸に住んでいる方の場合、これ以上の金額分を用意する必要があります。家賃は支出の多くを占めますから、住まいについては早めに検討しておきたいところでしょう。交通費についても、車を保有している場合はガソリン代や保険代、税金、車検代、購入費用などかかります。何歳まで車を保有するのか、また車以外の交通手段についても考えておくと安心です。
また、同時に考えたいのが介護費用です。老人ホームに入る場合の目安をLIFULL介護「老人ホームの費用相場」(2021年8月31日時点)をもとに見てみましょう。
有料老人ホーム費用
- 入居時費用:540万円
- 月額費用(入居時費用あり):23万円
- 平均介護期間:54.5ヶ月(4年7ヶ月)※生命保険文化センター調べ
合計:約1800万円
サービス付き高齢者向け住宅
- 入居時費用:19.7万円
- 月額費用(入居時費用あり):16.5万円
- 平均介護期間:54.5ヶ月(4年7ヶ月)※生命保険文化センター調べ
合計:約900万円
介護資金まで考えると、老後資金とは別に900~1800万円ほど用意しておくと安心です。
住居費用や介護費用のことを考えると、「老後2000万円問題」はおひとりさまなら単純に半分にすれば良いわけではなく、やはりまとまった貯蓄が必要であるとわかります。