最近では「人生100年時代」と言われるようになりましたが、「100歳の自分」が想像できないという方も多いかもしれません。しかし、実際に日本人の平均寿命は延び続けています。

「いつまで働けるか分からない老後」において、国民年金や厚生年金が多くの人にとって生活の柱であることに変わりないでしょう。

今回は、男女別の「年金月額」と「生涯受給額」についてみていきたいと思います。

「長生き×公的年金」の相性は良い?悪い?

厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況 平均寿命の国際比較」から、平均寿命の国際比較をみてみましょう。
作成基礎期間や作成方法の違いがあるため、国同士での厳密な比較は難しいです。参考程度にお考え下さい。

〈男性〉

  • 1位:スイス(81.9歳)
  • 2位:日本(81.64歳)
  • 3位:シンガポール(81.5歳)

〈女性〉

  • 1位:日本(87.74歳)
  • 2位:韓国(86.3歳)
  • 3位:シンガポール(86.1歳)

さすが長寿大国日本といえますね。

平均寿命の年次推移をみると、1965年の日本人の平均寿命は男性が約68歳、女性が約73歳であったと読み取れます。

1965年~2020年の間に10年以上も平均寿命が延びているので、いまの現役世代が老後を迎える頃は「人生100年時代」が現実になっていてもおかしくありません。

また同調査によると、65歳の「平均余命」は男性で約20年、女性約24年となっています。

ここで、平均余命と平均寿命について説明をします。
平均余命は、ある年齢において「あと何年生きられるか」という予測値のことです。0歳の人における平均余命のことを特別に「平均寿命」と言います。
今回は「65歳時点であと何年年金を受け取れるのか」という点について試算するので、65歳時点の「平均余命」を使うと、より正確な計算になるのです。

わたしたちの老後を支える国民年金や厚生年金は「亡くなるまで一生もらえる=長生きすればするほど得をする制度」になっていますから、長生きと公的年金の「メリット部分」は実は相性が良いのです。

それにも関わらず、たびたび老後不安のニュースが絶えない原因は「給付月額」のみが先行しているためといえます。
次項からは男女別に年金受給額と生涯受給額をみていきましょう。