厚生労働省の「就労条件総合調査」(平成29年)によると、日本企業の約8割が60歳定年制です。一方で2021年4月1日から施行されている、改正された「高年齢者雇用安定法」では「70歳までの就労機会確保を企業は努力義務とする」となっており、定年延長の可能性も出てきました。

そんな矢先、サントリーホールディングの新浪剛史社長より「45歳定年制」の導入が提言されたことが話題となっています。

では、現在の60代以降「無職世帯」と「はたらく世帯」の貯蓄の差はどのくらいあるのでしょうか。私は前職で大手都市銀行に17年間勤務していましたが、退職後のライフプラン相談も多くありました。そちらの経験も踏まえながら解説します。

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60代、「無職世帯」と「はたらく世帯」の貯蓄事情を比べよう

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-二人以上の世帯-」表番号8-10を参考に、まずは世帯主が60歳以上の無職世帯の貯蓄事情をみていきましょう。

60代無職世帯の貯蓄事情

貯蓄:2308万円

(内訳/金融機関)

  • 通貨性預貯金:631万円
  • 定期性預貯金:912万円
  • 生命保険など:408万円
  • 有価証券:348万円

(内訳/金融機関外)

  • 金融機関外:8万円

60代で無職世帯の平均貯蓄は2308万円。2019年に話題となった「老後2000万円問題」をクリアしています。内訳を見ると、預貯金以外に生命保険や有価証券を保有する額も大きいことが分かります。

次に同調査を参考に、60歳以上の勤労世帯を見ていきましょう。

「はたらく世帯」の貯蓄事情

貯蓄:2065万円

(内訳/金融機関)

  • 通貨性預貯金:613万円
  • 定期性預貯金:696万円
  • 生命保険など:453万円
  • 有価証券:277万円

(内訳/金融機関外)

  • 金融機関外:27万円

「はたらく世帯」においても、貯蓄は2000万円を超え、生命保険や有価証券を保有しています。