免除期間の「老後の年金額」は、どのくらい減るの?

免除制度を利用すると、将来受け取れる年金額はどう変わるのでしょうか。保険料を全額納付した場合と比較しました。(参照:【図2】保険料免除期間の年金額)

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」をもとに筆者作成


令和3年4月分からの年金額は以下の式によって計算します。(参照:令和3年4月分からの年金額計算方法)

令和3年4月分からの年金額計算方法

出所:日本年金機構「知っていますか?国民年金保険料の免除制度」

令和3年度の老齢基礎年金の満額(40年納付)は78万900円なので、40年全額免除となった場合は39万450円受け取ることができます。

追納制度で年金額を増やす

免除制度を利用すると、年金額が満額よりも少なくなりますが、あとから年金額を増やすために保険料を追納することが可能です。

追納ができる期間は10年以内。免除の承認を受けた期間の保険料について、過去 10年にさかのぼって納めることができるのです。

この制度を利用すれば、年金額を満額に近づけることができるだけでなく、追納した金額は社会保険料控除となり、所得税・住民税が軽減されます。収入が増えて追納が可能であれば、期限切れになる前に追納しましょう。

<追納に関する注意点>

  1. 追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られます。
  2. 保険料免除・納付猶予を受けた期間のうち、原則古い期間の分から納付となります。
  3. 保険料免除・納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降に追納をする場合は、当時の保険料に一定の金額が加算されます。
  4. 老齢基礎年金を受給している方は追納できません。