「2000万円」あれば老後は安泰といえるのか?

ここまでは、60代の貯蓄事情から、2000万円以上保有する世帯の割合を見ましたが、実際に老後生活2000万円で足りるのでしょうか?

まず、金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料から該当部分をまとめました。

なぜ「老後”2000万円”」なのか

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この試算には落とし穴も……。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)のひと月の収支をモデルケースとしたこの試算。オレンジ枠の中が、「老後2000万円」の根拠です。

ただし、この試算には注意したい点が3つほどあります。

  1. 介護に必要な費用がまったく含まれていない
  2. 住居費が持家を前提として1万3656円と設定されている
  3. ひと月の収入と支出には当然、世帯差がある

現在85歳以上で介護認定を受ける人の割合は、59.3%と非常に多くなっています。(生命保険文化センター調べ)また、入居時費用のある有料老人ホームに5年間入居した場合は、1900万円強が必要です。(LIFULL介護調べ)

「長寿時代」という響き自体は喜ばしいことですが、やはり長生きリスクを考えると、介護費用はある程度備えておいたほうが賢明であるといえます。老後も賃貸住宅に住む予定の世帯であれば、生活費には家賃相当分の上乗せが発生してくるわけです。

そして家族構成や理想の老後は人それぞれ。ご自身がどのような老後生活を送りたいかによっても、必要な金額はおのずと変わります。よって、さきほどの図にあるモデルケース世帯の試算は、あくまでも「必要最低限の老後生活費」の目安として捉える必要がありそうです。

公益財団法人生命保険文化センターの意識調査によると、「ゆとりある老後の暮らし」には月々生活費が36万1000円必要という調査結果も。

つまり、多くの世帯で「2000万円」以上の金額が必要となる可能性があるわけですね。ご自身で介護費用を準備しておきたいと考えた場合は、最低でも3000万円以上の準備が必要ともいえそうです。