国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は436万円です。また同調査の年収分布をみると、年収600万円以下が全体の79.5%を占めています。
平均的な年収である400万円と、共働き世帯であれば実現できそうな年収600万円。その稼ぎと貯蓄はどの程度連動しているか、ちょっと気になるところです。
今回は約20年のファイナンシャルアドバイザー経験を持つ筆者の視点から、「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」のお金事情を比較しながらお話ししていきます。貯蓄から負債を差し引いた「純貯蓄額」にも注目してみましょう。
「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」本当の貯蓄額は?
資産状況を見ていく上で、貯蓄とともに負債にも目を向ける必要があります。
総務省「家計調査/貯蓄・負債編 二人以上の世帯」(第8-2表)を参考に、勤労世帯の「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」の前後の年収帯について、貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額を出していきます。
「年収400万円前後世帯」本当の貯蓄額
■年収350万円~400万円の世帯■
- 貯蓄額…962万円
- 負債額…375万円
純貯蓄額…587万円
■年収400万円~450万円の世帯■
- 貯蓄額…911万円
- 負債額…555万円
純貯蓄額…356万円
貯蓄額と純貯蓄額を見ると、年収が低い世帯の方が高くなっています。ここでは年収と貯蓄額は連動するとは言い切れないようですね。
「年収600万円前後世帯」本当の貯蓄額
■年収550万円~600万円の世帯■
- 貯蓄額…1030万円
- 負債額…858万円
純貯蓄額…172万円
■年収600万円~650万円の世帯■
- 貯蓄額 1209万円
- 負債額 930万円
純貯蓄額 279万円
年収600万円前後の世帯をみると、年収に連動するかたちで貯蓄額・純貯蓄額も増えていますね。負債額も貯蓄額同様、年収に連動して増えています。