現役世代が老後に必要な金額は?
これまで70代以上の貯蓄状況を眺めてきました。ご自身の老後に不安を感じた方もいらっしゃるでしょう。では、現役世代のわたし達が、老後の経済的不安から解放されるために「今のうちからできること」は何でしょうか。
まずは自分の年金額を知り、具体的な「老後必要資金」を確認することです。
老後資金の柱となるのは、やはり公的年金。日本年金機構から定期的に送られてくる「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、公的年金を確認しましょう。「これまでの保険料納付額や加入期間、加入実績に応じた年金額、年金見込み額の試算」などを確認してください。年金の受け取りには原則として年金加入期間が120ヶ月以上あることが条件ですので、加入期間をきちんと確認しておきましょう。
老後必要資金については、2019年の老後2000万円も記憶に新しいかと思います。この試算のもととなった、金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」によると、夫婦2人世帯で老後を30年間として下記のように計算されています。
毎月5万5000円の赤字で、30年間で約2000万円不足するのですね。ただし、この試算では住居費が約1万3656円なので、賃貸の方はこれ以上の金額が必要です。
基本的に、自分の必要な老後資金は以下の式で計算できます。
(年金見込み額-年間生活費)×30年=老後必要資金
これに加えて、家をリフォームしたり、介護で施設に入ったりしたいと考えられる方は別途必要に。施設に入る場合は、一般的にひとり1000~2000万円ほど必要と言われています。
住居形態や家庭環境、生活水準により個人差がありますが、すべてあわせると2000万円どころか、3000万、4000万円という方もいるのではないでしょうか。