2021年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務になりました。

働き方も多様化していますので、長く仕事を続けることを前提にして、子どもの教育や住宅取得などのプランを立てているご家庭もあるでしょう。

今回は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」を頼りに、60代・還暦世代のお金事情を、住宅ローンと貯蓄額にフォーカスしてながめていきます。

60代で「住宅ローンが残る世帯」

住居費・教育費・老後資金を、人生の三大支出などといいますね。住宅購入の際に多くの世帯が利用する住宅ローンは、長い期間をかけて返済していきます。

平均…619万円(中央値:500万円)

  • 50万円未満:1.8%
  • 50万~100万円未満:0.9%
  • 100万~200万円未満:4.4%
  • 200万~300万円未満:1.8%
  • 300万~500万円未満:8.8%
  • 500万~700万円未満:6.2%
  • 700万~1000万円未満:12.4%
  • 1000万~1500万円未満:14.2%
  • 1500万~2000万円未満:4.4%
  • 2000万円以上:3.5%
  • 無回答(ゼロも含む):41.6%

※平均は一部の大きな数値に引っ張られますので、より実感に近い「中央値」を参考にしていただくとよいでしょう。

60代で1000万円以上の住宅ローンが残る世帯は、全体の約2割。ひとくちで「60代世帯」といえど、リタイヤ前の現役世帯と、既に年金生活をスタートされている世帯がありますから、この割合を多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれでしょう。

中央値は500万円。定年退職金の受け取る予定がある場合は完済できるケースも多そうな気がします。次では、60代世帯の貯蓄事情を詳しく見ていきます。