日経平均が約半年ぶりに3万円台を回復
2021年9月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より373円65銭高の3万381円84銭でした。
8日に終値ベースでは4月5日以来およそ5カ月ぶりに3万円を超え、翌9日は利益確定売りなども出て若干下げたものの3万円台を維持。下値の堅さが確認できたことから10日は反発しています。
背景にあるのは自民党総裁選です。菅義偉首相が総裁選に出馬しないと表明したことから、次期総裁が新しい政策や経済対策などを打ち出すのではないかという期待感が高まっています。
また、足元で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、ピークアウトの兆しが見えてきたことも投資家に好感されています。
今週の動きはどうなるでしょうか。米国をはじめ海外市場で株高傾向が進む中、長らく日本株は出遅れていました。
コロナ対応が進まないことによる内閣の支持率の低さなども要因でしたが、ここにきてその懸念も払拭されつつあります。日本株が出遅れを一気に取り戻す可能性もあります。
商いも活発になっています。10日の東証1部の売買代金は概算で3兆9283億円と、およそ3カ月半ぶりの高水準でした。同日は株価指数先物・オプション9月物のSQ算出に伴う売買があったものの、ここ数日3兆円超えが続いています。
一方で注意すべきは、欧米株がここに来てやや足踏み状態であることです。10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比271ドル66セント安の3万4607ドル72セントとなりました。5日続落で、7月20日以来の安値です。
米国などでは新型コロナ・デルタ型の感染が拡大しています。また、3日に発表された8月の米雇用統計が予想を下回ったことなども、景気の回復が遅れるのではないかと懸念材料になっています。
ただ、これまでは日本株は米株などの動きに連られることが多かったのですが、むしろ、海外の投資家が日本株に資金を移しているという観測もあるようです。目線を上に持っていいのではないでしょうか。