「年金加入期間が短い場合」老後の受給額はどうなるの?

2021年現在、国民年金を受給するためには「年金保険料を10年以上納付していること」が必要です。以前は25年でしたが、2017年8月1日より資格期間が短縮され、それまでは納付期間が不足していた人も受給が可能となりました。

では、年金加入期間が短い場合の受給額がどのくらいになりそうか、深掘りしていきます。「資格期間25年未満」のケースに絞って、国民年金のみの場合と、厚生年金保険(第1号)、それぞれの受給額を見ていきましょう。

こちらは、厚生労働省の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(参考資料5)」から抜粋していきます。

【国民年金】資格期間25年未満の受給権者数

平均年金月額1万9124円  男性1万9767円・女性1万8724円

  • 1万円未満:15万6695人
  • 1万~2万円未満:38万3200人
  • 2万~3万円未満:28万5096人
  • 3万~4万円未満:9万7988人
  • 4万~5万円未満:1万9855人
  • 5万円以上:1345人

総数:94万4179人

【厚生年金】資格期間25年未満の場合

平均年金月額 6万842円   男性:7万875円・女性:5万7385円

受給権者数

  • 1万円未満:92万1790人
  • 1万~2万円未満:69万2137人
  • 2万~3万円未満:59万6991人
  • 3万~4万円未満:76万1779人
  • 4万~5万円未満:126万3832人
  • 5万~6万円未満:189万3649人
  • 6万~7万円未満:268万3055人
  • 7万~8万円未満:270万4845人
  • 8万~9万円未満:173万1242人
  • 9万~10万円未満:83万308人
  • 10万円以上:67万4552人

総数:1475万4180人

国民年金25年未満受給権者の平均年金月額は1万9124円、厚生年金保険(第1号)は6万842円です。

加入年数が短い場合、国民年金のみでは月額1~3万円程度、厚生年金にも加入していた人は月額6~8万円あたりの受給額ゾーンの人が多いですね。先ほど紹介した全体の平均額よりだいぶ低くなっています。

厚生年金の受給額は、加入期間に加えて現役時代の収入が反映されますので、国民年金のみを受け取る場合とは差が出ます。

就職して厚生年金に加入している期間は、厚生年金と国民年金セットで加入し給与から天引きで保険料を納めますので、いわゆる「うっかり未納」は起こりづらいでしょう。

一方、国民年金のみに加入する期間については、未納の期間に気付けないこともあり得ます。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などでご自身の加入状況をチェックしておきたいものです。

保険料の免除・猶予の承認を受けている場合は、「追納が承認された月の前10年以内の免除等期間」まで後払いできます。また、厚生年金に加入できる働き方を選ぶことで、年金加入期間を伸ばしていくことも視野に入れるとよいでしょう。