年収や働いている期間によって大きく変わる「厚生年金」。

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業概況」によると、令和元年度末現在で、厚生年金被保険者数(第1号~4号)は4488万人。前年度末に比べて60万人増加しているそうです。

令和3年1月1日現在で日本の人口は1億2557万人ですから、約35%、つまり3人に1人が厚生年金被保険者となります。

今回は多くの方が加入する厚生年金に着目して、厚生年金月額がどのような金額分布となっているのか、特に「10万円未満&30万円超」の方は何割いるのか探っていきたいと思います。あわせて、老後資金について具体的に計算していきます。

男女別!厚生年金の分布図をチェック

まずは厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」を参考にして、厚生年金のひと月の受給額の分布図を男女別に見てみましょう。

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人

厚生年金の平均を比べると、男女で約6万円の差があることが分かりますね。

次に、男女別に「10万円未満&30万円超」の分布をみます。

男性

  • 10万円未満:112万7701人
  • 30万円超:1万7626人

女性

  • 10万円未満:265万6421人
  • 30万円超:379人

男女全体の老齢年金受給権者総数は1598万6959人。男女合算の「10万円未満」は全体の23.6%、「30万円超」はわずか0.1%となっています。

想像していたより、「10万円未満」の方が多いと感じられた方もいるのではないでしょうか。この金額には基礎年金月額(=国民年金)も含んいますので、年金のみでの老後生活は心もとないでしょう。