年金生活に「ゆとり」を持たせたい!
住居費・教育費・老後資金は「人生の三大支出」と呼ばれます。ただ老後資金、はいつごろまでにどのくらい準備すれば良いか、見当がつきにくい項目ですね。
「人生100年時代」とはいえ、医療や介護のお世話にまったくならずに天寿を全うできる人のほうが少ないでしょう。
加えて少子高齢化・核家族化が進むいま、サザエさんやちびまる子ちゃんのおうちのように3世代が支え合いながら同居するケースは減っています。磯野家やさくら家では当たり前の、隣近所と「ゆるく繋がりながら」暮らせる環境は、今や貴重なものとなりつつあるのです。
昭和のシニア世代であれば、子どもや孫にお願いしていた「ちょっとした用事」。令和のシニアはそれを自力で頑張るか、プロにアウトソーシングする場面が増えていくことでしょう。
まずは、年金生活スタートまでにどのくらいの貯蓄が準備できそうか、そこまでの収入・支出をざっくり書き出してみます。理想の老後に必要となりそうな金額とは、どのくらいの距離がありそうですか?
50代はリタイヤまでのラストスパート期と位置づけ、貯蓄を増やす工夫をしていきたいものですね。まずは預貯金を確保したいところです。とはいえ、超低金利時代のいま、預貯金だけでお金を増やすことは難しいといえます。
預貯金の一部を、投資信託などの運用性のある商品に置き換え、効率よくお金を育てる視点を持つのもよいでしょう。健康寿命とともに、資産の寿命を延ばす発想を持ちながら、ゆとりある年金生活に向けて備えていきたいものですね!
参考資料
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」2019(令和元)年財政検証関連資料
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額