国税庁の「令和元年(2019年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は436万円です。

世帯年収が年収600万というと、家族構成やライフスタイルによって平均給与から考えても少しゆとりがある生活が送れるように感じるのではないでしょうか。

そこで今回は、約20年ファイナンシャルアドバイザーとして個人向け相談をお受けしている私から、年収600万円台の勤労世帯について、「本当の貯蓄額(=純貯蓄額)」を確認し、家族の姿にもフォーカスしてお話をしたいと思います。

年収600万円世帯の貯蓄額はどのくらい?

最新データである総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年1~3月期 平均結果-(二人以上の世帯)」から、「年収600万円台」の勤労世帯について、貯蓄額とその内訳をみていきましょう。

年収600万~650万円・勤労世帯の貯蓄事情

※平均年収…622万円

平均貯蓄額:1157万円

〈貯蓄の内訳〉
通貨性預貯金:394万円
定期性預貯金:356万円
生命保険など:288万円
有価証券:76万円
金融機関外:43万円

年収650~700万円・勤労世帯の貯蓄

※平均年収…670万円

平均貯蓄額:974万円

〈貯蓄の内訳〉
通貨性預貯金:383万円
定期性預貯金:244万円
生命保険など:199万円
有価証券:129万円
金融機関外:19万円

年収600万円台・勤労世帯の平均貯蓄額は1000万前後と確認できました。

年収600万円台世帯「負債」の平均いくら?

続いて、貯蓄とセットにして考えるべき「負債」について、みていきます。同調査から、年収600万円世帯の負債額を確認します。

年収600万~650万円世帯の負債

平均負債額・・・904万円

うち「住宅・土地のための負債」・・・826万円

年収650万~700万円世帯の負債

平均負債額・・・811万円

うち「住宅・土地のための負債」・・・722万円

年収600万円台の負債のほとんどが「住宅・土地のための負債」、つまり住宅ローンであることが分かります。

年収600万円世帯の「本当の貯蓄」っていくら?

では、先述の「平均貯蓄額」から「負債額」を差し引いた「純貯蓄額」をみていきましょう。

年収600万~650万円世帯の純貯蓄額

1157万円-904万円=253万円

年収650万~700万円世帯の純貯蓄額

974万円-811万円=163万円

貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額は、「年収600万~650万円世帯」の場合で253万円、「年収650万円~700万円世帯」の場合は163万円です。

年収600万円台の純貯蓄額は、100万~200万円台となっていて、年収の半分以下です。やはり高収入で貯蓄額は多い傾向がみられるものの、その分住宅取得にまつわる負債額も大きいことがうかがえます。

年収600万円世帯の「家族のようす」

ここで「年収600万円世帯」の家庭状況をひもときながら、さきほどの貯蓄・負債事情との関連を見ていきます。

年収600万~650万円世帯の家庭のすがた

  • 世帯主の平均年齢・・・49歳
  • 世帯人数の平均・・・3.22人

 ・うち18歳未満の世帯人員・・・0.91人

  • 世帯主の配偶者のうち女性の有業率・・・47.1%
  • 持家率…78.4%

これらの数値をみると、「住宅ローン」と「教育費」という2つのコアな出費が家計の大部分を占めている世帯が多いことが想像できますね。それを補うかのように共働き率が半分というのも読み取れるのではないでしょうか。

人生に必要な「三大資金」

みなさんは「人生の三大資金」をご存じでしょうか?

「教育」「住宅」「老後」の3つの資金を指します。これらは、日頃の家計のやりくりとは別枠で、計画的に積み立てていく必要がある項目であると言えます。

この3つのお金のうち、「いつまでに・いくら必要か」が見えづらく、かつ丁寧に準備をしていく必要があるのが「老後資金」であるといえるでしょう。

教育資金や住宅資金については、先述した負債額のデータにもあったように、ローンを組んで融資をしてもらうことが可能です。

でも老後資金はどうでしょう。自治体や家族のサポートを受けることはできるかもしれませんが、自らの力で老後に新たに融資を受けることは、決して簡単なことではないはずです。

老後の備えは「早めのスタート」を!

いきなり「老後に備える」と言われても、30代や40代の方でもなかなか想像することがむずかしいかもしれません。

お子さんがいる場合は、目先の教育費にとらわれがちになりますが、教育費が落ち着いたら、やがて自分自身のリタイア後の暮らしが待っています。ファイナンシャルアドバイザーの視点からは、その「備え」の一つとして、資産運用の検討を視野に入れることをお勧めします。

低金利が続くいま、資産を預貯金だけで保有しても受け取る利息はほんのわずかですので、残念ながらお金を増やすことにはつながりにくいでしょう。

資産運用のポイントは「時間を味方につける」こと!

「住宅ローンがあるけど、繰り上げ返済すべき?それとも…?」
「教育費も老後のお金も心配。どうしたらいいのか……」

など、お金の事情はご家庭によってそれぞれです。そして、最適な金融商品や資産運用のスタイルも異なります。

資産運用は、運用期間が長いほどリスクが軽減しリターンが安定すると言われています。時間を味方につけて、複利のメリットを最大限に利用するためにも、早めのスタートがオススメです。

マネー雑誌やオンラインセミナーなど、ご自身が活用しやすいカタチで情報収集の時短を目指しましょう。そして、じっくり・コツコツ、時間をかけて、お金を増やしていきたいものですね。

参考資料