人生三大支出といわれる「住宅ローン、教育費、老後資金」。それらの主な払い時、貯め時となるのが40~50代ですよね。
子どもが大きくなるこの時期の出費は、それだけではありません。増える食費に、車のローン、スマホ代など。何かと出費を抱えながら貯蓄をするわけですが、みんなどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
そもそも人生三大支出はいくらかかるのかを確かめながら、現代の40~50代の貯蓄事情をながめていきましょう。
人生三大支出、それぞれの平均はいくら?
まずは人生三大支出、それぞれの平均額をみていきます。はじめに3つの中でも大金がかかりがちな「住宅ローン」から。
人生最大の買い物といわれるマイホームですが、その平均額はいくらでしょうか。もちろん土地や住宅の規模により異なりますが、2020年度の住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によるとそれぞれの全国平均額は以下の通り。
所要資金(申込時点の予定建設費と土地取得費の合計)
- 土地付き注文住宅:4397万円
- 建売住宅:3495万円
- マンション:4545万円
3000~4000万円台かかるのが一般的なようですね。このほかに購入の際には不動産の登記費用や仲介手数料・火災保険料などやがかかります。購入後には固定資産税や維持管理費用、マンションなら修繕積立金などがかかります。
次に教育費です。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(令和元年12月18日)によれば、幼稚園3歳~中学3年生まですべて公立で約404万円。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(2020年10月30日発表)では、高校入学~大学卒業までの入在学費用は約965万円。あわせると1369万円です。
これは子ども一人あたりの金額なので、子どもが2人いれば2倍に。私立の学校を選べばさらに教育費用はかかるでしょう。
住宅ローンや教育費については、40~50代で貯めると同時に支払いをしていきます。生活費の他にこれだけの金額を貯めながら支払うと考えると、改めて三大支出の大きさを感じますね。
老後資金については2019年に金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」により、年金以外に2000万円が必要だと話題になりました。
これによると、「高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)」の場合、月々の収支は以下の通り。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の毎月の収支
- 実収入:20万9198円(主に年金)
- 実支出:26万3718円(主に食費など)
- 赤字:約5万5000円
老後を30年間とすれば、2000万円足りない計算になります。
5万5000円×12カ月×30年=1980万円(約2000万円)
三大支出のどれを見ても1000万円以上、中には4000万円以上かかると分かりました。これだけの大金がかかる中、40~50代の方はみんなどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。