働き盛りのみなさんは、「将来の年金受給額」がどのくらいになりそうか、確認してみたことはありますか?すでにねんきん定期便やねんきんネットを活用している人も多いかもしれません。
公的年金の支給額は、賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しが行われますので、「いくらもらえる」かは決まっていません。とはいえ、今のシニアの受給額や将来の給付水準の見通しを知っておくことは、長いスパンでマネープランを考えていくうえで参考となるでしょう。
今回は、厚生労働省の資料をもとに、現在の30~50代の「年金予想額」にフォーカスしていきます。
「私たちの老後」年金いくらもらえそう?
現役世代の年金予想額を見る前に、今のシニアの年金受給額も知っておきましょう。
2021年度の年金支給額
- 国民年金(老齢基礎年金(満額))・・・6万5075円
- 厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)・・・22万496円
厚生労働省は「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」の「2019(令和元)年財政検証関連資料」で、年金額の見通しを公表しています。
同資料から、現在30代~50代の夫婦世帯のモデル年金月額の見込み額を見ていきます。いずれも想定する経済状況に応じて3パターンが試算されています。
◆注意点◆
年齢は、いずれも2021年度時点のものです。
- 数値は、各時点の名目額を物価上昇率で2019年度時点に割り戻した実質額を記載しています。
- ここでいう「経済成長率」とは、2029年度以降20~30年平均の実質経済成長率をいいます。
- 「モデル年金」とは、「夫が厚生年金に加入して男子の平均的な賃金で40年間就業し、その配偶者が40年間専業主婦であった夫婦に給付される夫婦2人の基礎年金と夫の厚生年金の合計額」です。
「いま30代」老後の年金いくらもらえそう?
32歳(1989年度生まれ)の人が65歳時の予想年金月額
- 経済成長率(実質<対物価>)0.9%ならば…29万7000円
- 経済成長率(実質<対物価>)0.4%ならば…25万9000円
- 経済成長率(実質<対物価>)0.0%ならば…20万6000円
37歳(1984年度生まれ)の人が65歳時の予想年金月額
- 経済成長率(実質<対物価>)0.9%ならば…27万5000円
- 経済成長率(実質<対物価>)0.4%ならば…24万5000円
- 経済成長率(実質<対物価>)0.0%ならば:20万7000円