「人生の三大支出」の最後を切り抜けるために
「人生100年時代」が近づくいま、世帯の収支は長いスパンで考えていく必要があります。
住居費・教育費・老後資金は「人生の三大支出」と呼ばれます。
住まいと子育てに関するお金は、使う時期や金額があらかじめ把握できるので、資金計画は比較的立てやすいかもしれませんね。一方、「老後資金ってどのくらいあればいいの?」と悩んでいるご家庭も多いでしょう。
家族構成や健康状態、そして理想の老後はそれぞれですので、必要となる金額は世帯によって違います。
まずは、年金や退職金はどのくらいもらえそうか、老人ホームへの入居を希望しているか、など大まかな老後の収支を書き出してみましょう。そこから、今の貯蓄額で足りない部分をどう準備していくかを考えます。
若い頃に身につけた節約・貯蓄の習慣は、一生モノの財産となるでしょう。日頃から節約を心掛け、預貯金をしっかり確保したいものです。とはいえ、低金利が続くいま、預貯金だけでお金を育てていくことは残念ながら難しいといえます。
ご自身が頑張って働いて稼いだら、今度はその「お金」にも働いてもらう発想もアリでしょう。いまこそ資産運用のスタートを検討するよい機会かもしれません。
「人生100年時代」が近づくいま、私たちに求められているのは健康寿命とともに「資産の寿命」をのばす視点が求められそうです。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」詳細結果表 第8-5表
- 厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」2019(令和元)年財政検証関連資料
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額