住居費・教育費・老後資金は「人生の三大支出」と呼ばれます。

住まいと子育てに関するお金は、いつまでにどのくらい準備すべきか比較的把握しやすい項目ですが、老後資金はどうでしょう?

特に30代・40代であれば、目前の支出で手一杯という家庭も珍しくないはずです。

とはいえ「人生100年時代」が近づくいま、世帯の収支は長いスパンで考えていく必要があります。

今回は、働き盛りの30代・40代世帯のお金事情についてのお話です。

結婚や子どもの誕生など、生活に大きな変化が起こる人が多い時期、同世代の貯蓄事情だけではなく、老後にどのくらい年金をもらえそうかも、気になるところです。早速見ていきましょう。

30代・40代の「貯蓄・負債」

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」(表8-5)によると、二人以上世帯(勤労世帯)の貯蓄現在高は1378万円で、負債現在高は851万円となっています。

では、30代・40代のお金事情に絞ってみていきましょう。以下すべて、二人以上世帯(勤労世帯)についてのデータです。

30~39歳のお金事情

  • 平均年間収入:674万円
  • 貯蓄現在高:750万円
  • 負債現在高:1337万円(うち「住宅・土地のための負債」1266万円)
  • 純貯蓄額:マイナス587万円

40~49歳のお金事情

  • 平均年間収入:781万円
  • 貯蓄現在高:1071万円
  • 負債現在高:1200万円(うち「住宅・土地のための負債」1132万円)
  • 純貯蓄額:マイナス129万円

30代・40代世帯ともに純貯蓄額はマイナスです。「住宅・土地のための負債」が負債の9割以上を占めています。

ちなみに、貯蓄全体に占める預貯金の割合は30代で70.7%、40代で63.5%です。次では「老後の年金見込み額」について見ていきましょう。