ひと月25万円で老後資金は足りる?
「ひと月25万円貰えるなら老後も安泰」と思われる方もいるでしょう。実際に老後生活ではひと月いくら必要かを知る必要があります。
「年金2000万円問題」の元となった金融審議会「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」を参考に、老後費用を具体的にみていきます。こちらは夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯を例にして計算されています。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の毎月の収支
- 実収入:20万9198円
- 実支出:26万3718円
赤字:約5万5000円
この計算では収入が約21万円。そのため、老後を30年間と考えると、約2000万円足りないとしています。
5万5000円×12カ月×30年=1980万円(約2000万円)
厚生年金がひと月26万以上あれば赤字にはならないようにみえます。ただ、支出の内訳を詳しく見てみましょう。
- 食料:6万4444円
- 家具・家事用品:9405円
- 住居:1万3656円
- 光熱・水道:1万9267円
- 交通・通信:2万7576円
- 保健医療:1万5512円 など
上記を見ると、住居費用が1万円台となっています。賃貸に住んでいる方ならもう少しかかるでしょう。単身の方であれば、食費や光熱・水道、交通・通信などはこれほどかからない場合も多いですが、賃貸の場合は住居費用がかかるので注意してください。
また、保険医療費も1万円台なので、病気をした場合はこちらがさらにかかる場合もあります。この計算には介護費用が含まれていないので、「介護で家族のお世話にはなりたくない」と考えている方は、別途介護費用を用意する必要があります。
このような点を考えると、「年金でひと月25万以上あれば安泰」とは言えないでしょう。