住居費・教育費が終わったあとは「老後資金」

ここまでのお話で、「年収が高いから貯蓄が多い」わけではないということが確認できましたね。

年収600万円は、給与所得者のなかでも上位20%に入る水準ですので、家計にもゆとりがあるようなイメージを持たれることも多いかもしれません。

ただし、世帯主の年齢をみると、年収550万円~600万円世帯で49.0歳、年収600万円~650万円世帯で48.3歳、いずれも18歳未満の子どもが1人程度いる結果となっています。

これから高校を卒業して大学などに進学するお子さんがいる世帯であれば、「住宅ローン」と「教育費」というコアな出費が家計を圧迫していることが推測されますね。

とはいえ、これらの支出が落ち着いても一息つくひまがないというのが現実です。そろそろ「老後の生活」を視野に入れる必要が出てくるからです。

2019年に注目を集めた「老後2000万円問題」。老後の生活には公的年金以外に2000万円が必要となる、という試算が話題となりました。

理想の老後は人それぞれですので、必要となる金額も変わります。世帯の構成や住まい、健康状態などによっては、3000万円、ないしはそれ以上の上乗せが必要となるケースもあるでしょう。

「お金を育てる」発想を

備えあれば、憂いなし。人生100年時代を見据えたマネープランは、できるだけ早めに練っておく必要がありそうです。

羽が生えたようにお金が飛んでいく時期、そして、貯蓄の成果が見えるとき。そのタイミングは、ライフイベントの影響を受け、各家庭によって異なります。

住宅ローンの返済とお子さんの教育費の捻出が同時並行する時期は、収入は増えたとしても貯蓄の成果を実感しにくい、もどかしい時期でもありますね。

まずは、手元の預貯金を増やしていきたいものですね。ただ、低金利が続くこのご時世。余裕のある部分については資産運用に振り分けていくことを検討されるとよいかもしれません。つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金iDeCo)といった、少額からの積立投資を後押しする制度もあります。

今後のライフプランをどうするか、まずはじっくり考える時間を取ってみるのもいいかもしれまんね。

参考資料