金融庁のレポートから端を発した「老後2000万円問題」。これをきっかけに、老後の入り口となる60代までに貯蓄を2000万円に掲げた人もいると思います。
それでは、実際に貯蓄2000万円以上を持つ60代の方はどれぐらいいるのでしょうか。
私は15年以上FPの資格を持ちながらファイナンシャルアドバイザーをしています。
その経験を踏まえ、60代世帯で2000万円を準備できている世帯はどのくらいいるのかを眺めながら、安心した老後生活のための資金について考えていきます。
60代の貯蓄はどれぐらい?
さっそく60代「貯蓄2000万円」以上世帯の割合を見ていきます。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」をもとに、貯蓄額ごとの世帯割合を見ていくと以下のようになります。
60歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産保有世帯)
- 100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:4.9%
- 500~700万円未満:6.5%
- 700~1000万円未満:9.2%
- 1000~1500万円未満:9.2%
- 1500~2000万円未満:7.7%
- 2000~3000万円未満:16.3%
- 3000万円以上:24.0%
- 無回答:4.0%
平均:2154万円
中央値:1465万円
金融資産保有世帯だけでみると、2000万円以上の貯蓄がある世帯は4割程度となりました。