貯蓄「200万円台」と「1000万円」世帯の住居費は?
それでは持家率と住居費についても比較します。
貯蓄「200万円台」と「1000万円」世帯の持家率
- 200万~300万円:77.2%
- 1000万~1200万円:88.8%
平均:85.6%
となっています。持家率の差が大きいですね。貯蓄「1000万~1200万円」世帯は9割近くが持家となっていますが、貯蓄「100万~200万円」世帯は8割弱です。
次は住居費をみてみましょう。
貯蓄「200万円台」と「1000万円」世帯の住居費
- 200万~300万円:1万5430円
- 1000万~1200万円:1万6225円
平均:1万7365円
民間の賃貸物件に住んでいらっしゃる方は、かなり低いと感じたかもしれませんね。
こちらの住居費は、さきほど触れた通り持家率の高さなども反映しています。さらにいうと、家賃が安価な給与住宅(社宅)などに住まう世帯も含めた平均値である点には考慮が必要です。
そのうえで、貯蓄「200万~300万円」と「1000万~1200万円」世帯の住居費は、平均でみるとそれほど大差はない、といえそうです。
貯蓄「200万~300万円」世帯と「1000~1200万円」世帯の食費や住居費もみてきましたが、それほど大きな違いはありませんでした。ただ、やはり貯蓄が多い方が持家率は高いといえそうです。
まとめにかえて
貯蓄「200~300万円」世帯と貯蓄「1000~1200万円」世帯は、年間収入に80万円ほどの差があります。消費支出の差は月2万4000円ほど。年間にすると29万円ほどの差になります。
ここから単純計算すると、貯蓄「1000~1200万円」世帯は「200~300万円」世帯と比較すると、年間50万円ほど多く貯蓄できるといえるでしょう。こうした積み重ねが貯蓄差につながったことも考えられそうです。
長期化するコロナ禍の不安もあいまって、財布のひもを改めて引き締めたというご家庭も多いでしょう。家計を管理するスキル、貯蓄を継続する根気は一生モノの財産です。
お金の不安や疑問は、お金のプロにぶつけてみましょう。預貯金だけではなく資産運用も視野に入れながら、大切なお金を守り、育てていきたいものですね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年))」第8-30表、第8-11表、第7-1表
- 総務省統計局「19A-Q04 1世帯当たりの年間収入」
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額