あなたは、「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
生命保険文化センターによると、2016年データでは男性の健康寿命が72.14歳、女性の健康寿命が74.79歳となります。
人生100年時代と言われる今日、健康寿命を過ぎた後には、在宅介護の準備や介護施設への入居準備などお考えになる方もいらっしゃるかと思います。
こういった介護費や医療費の増加が想定される中で、70歳以上の方の貯蓄事情、また「貯蓄格差」は気になるところ。
大手都市銀行で17年間の金融の最前線にたち、ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用等を携わってきた私から解説します。
70歳以上の貯蓄のリアル
金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」をもとに、70歳以上の貯蓄額を確認したいと思います。
70歳以上・金融資産保有額
- 平均値:1786万円
- 中央値:1000万円
※平均値は超富裕層などの大きな資産に影響を受けるので、実態は中央値を参照。
貯蓄の分布
- 金融資産非保有:18.6%
- 100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.6%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:6.5%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%
- 1500~2000万円未満8.0%
- 2000~3000万円未満:10.4%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:2.6%
70歳以上の約3割が2000万円以上保有をしている反面、金融資産非保有割合が約2割となることが読み取れます。
それでは、各年齢層と比較すると貯蓄格差は大きいのでしょうか。次のページで見ていきましょう。