老後資金の準備に「黄色信号」が灯ったら・・・
老後の序盤である60代の貯蓄額には、世帯によって大きな格差があることが分かりました。しかし、老後は私たちに等しくやってくるものです。
よって、「老後資金が不足するであろう」と黄色信号が灯っている状態であれば、できるだけ早めに何かしらの手を打っておく必要があります。
老後資金を準備する方法はいくつかあります。まずみなさんが思い浮かべるのは銀行などの「預貯金」かもしれませんね。もちろん預貯金でコツコツ貯めていく方法も選択肢の一つであることは確かです。
しかし、低金利が続くいま、預貯金につく利息はほんのわずかですので、残念ながらお金を増やすことにはつながりにくいといえます。そこで検討していただきたいのが、お金に働いてもらう、つまり「資産運用」という発想です。
「資産運用(=投資)」という響きに対して、株式売買や不動産取引など、ちょっと敷居が高いイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
でも、最近は「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」といった少額からの投資を後押しする国の税制優遇制度などを活用することで、投資ビギナーのみなさんでも取り組みやすくなってきています。
「日本人は預貯金を好み、資産運用に消極的である」としばしばいわれます。実は、欧米では一般家庭でも資産運用が一般的に行われています。
ここで、日本・アメリカ・ユーロ圏の「家計の金融資産の内訳」を比較したデータを見てみましょう。日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(図表2「家計の金融資産構成」)から抜粋します。
【現金・預金】
- 日本…54.2%
- 米国…13.7%
- ユーロエリア…34.9%
【株式等】
- 日本…9.6%
- 米国…32.5%
- ユーロエリア…17.2%
この数字を見る限り、日本では家庭で資産運用を行うことが、まだまだ一般的ではないことがお分かりいただけたかと思います。
預貯金とは異なり資産運用には元本保証はありませんが、運用期間を長くとればとるほどリスクが軽減しリターンが安定してきます。複利のメリットを活かしてお金を雪だるま式に増やすことに繋がります。
老後資金というある程度まとまった金額を準備するとき、その方法の一つとして資産運用の検討も視野に入れていかれることをぜひお勧めします。