「40代・子育て夫婦」がとるべき方法

高齢出産とお金の問題をわかりやすくグラフで表してみましたが、このような事態を回避するためにはいくつかの方法があります。

一つ目は、子どもが生まれる前までの期間にしっかり貯蓄をしておくこと、二つ目はできるだけ長く働くこと、三つ目は生活レベルを上げないことです。

1.子どもが生まれる前にしっかり貯蓄をしておく

子どもが生まれる前の時期には、それぞれの独身時代も含まれます。早くから貯めることで時間を味方にして貯蓄を増やすことができます。

おすすめは給料から先取りして自動的に積み立てていく方法です。積立式定期預金や貯蓄預金などがあります。また会社の福利厚生に「財形貯蓄」があれば利用してみるといいでしょう。財形給付金制度がある会社であれば、一定のタイミングで給付金を受け取ることができます。

2.できるだけ長く働く

65歳定年を70歳まで伸ばすことで、収入を増やすことができるだけでなく、年金の受け取りを後ろ倒しにすれば(年金の繰下げ受給)、年金額を増やすことができます。70歳まで繰下げると42%年金額が総額されます。

高齢出産の場合、子育てに思った以上の体力を使うため、仕事と育児の両立が難しくなる可能性もあります。そこで一旦仕事を辞めてしまうと、年齢が上がっている分再就職のハードルは高くなります。

そうした事態を避けるためには、育児休業制度をフルに活用して、会社を辞めずに子育てをする、あるいは、再就職に有利な資格やキャリアを事前に積んでおく必要があるでしょう。共働きの期間を長く取れば家計状況は大きくプラスとなります。

3.生活レベルを上げない

40代子育て夫婦は、若い夫婦よりも経済的に豊かである場合が多いので、子どもに教育費を多くかけ、生活レベルも上げてしまいがちです。一度上げた生活レベルはなかなか下げることはできません。これから先、給料が思ったように上がっていかなかった場合、増え過ぎた支出が家計を圧迫することになります。

そこで、年収が上がっても生活レベルを変えずに、堅実な生活を心掛けましょう。それによって貯蓄を増やすことができます。また、老後に年金で生活するようになった時に、それほど変化を感じることなく暮らしていくことができます。

高齢出産をすると、子どもの教育費が老後まで及ぶことが問題でした。しかし、対策を取れば老後にお金の心配をすることなく暮らすことができます。

高齢出産ならではのメリットはたくさんあります。この機会にライフプランを立てて、将来の家計を予測することから始めてみましょう。

参考資料

石倉 博子