2021年8月4日に行われた、株式会社ジョイフル本田2021年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ジョイフル本田 代表取締役社長CEO 細谷武俊 氏

21/6期の事業方針と決算のポイント

細谷武俊氏:株式会社ジョイフル本田、代表取締役社長CEOの細谷武俊でございます。これから、2021年6月期の決算についてご説明いたします。

それでは、まず決算内容についてご説明します。2021年6月期の事業方針と決算のポイントについてご説明します。前期は3つの事業方針を掲げました。「1.収益構造改革の断行」「2.将来の成長に資する投資の推進」「3.現場従業員を支える体制と制度の整備充実」です。

その結果、営業利益および経常利益が9期ぶりに史上最高益を更新しました。営業利益は4期連続の増益で、利益率も4期前の4.8パーセントから8.7パーセントと、大幅改善に至りました。

新たな成長への取り組みとしては、工具・金物・作業用品の専門店であるプロショップを2店舗出店しています。新規出店と同時並行して、企業アライアンスによる既存業態を超えた成長も志向しています。

PL 通期 (3期推移)

3期推移の業績について、2020年6月期は一過性の特需対応が中心でしたが、2021年6月期は特需・特売に依存しない独自マーチャンダイジングの強化で、「ニューノーマルで発生した新しい必需」への即応体制を構築しました。

DXに基づくマーケティングを推進したことも奏功し、売上高総利益率は31.6パーセントと、特殊要因のない2019年6月期比で4パーセントほど改善しました。

販売費および一般管理費は、およそ3パーセント削減できました。IT活用でオペレーション合理化を行い、本社機能の統合が寄与しました。

以上をもって、営業利益115億円は2019年6月期比で約31億円の増益となり、経常利益128億円とともに、おかげさまで過去最高益です。

売上高月次推移(全店、ガソリン・灯油除く)

ガソリン・灯油を除く月次売上高の前年同月比推移は、黄色の折れ線グラフのとおり、前期の特殊要因や季節要因などで大きく変動しました。

コロナ禍における「新たな必需」にすばやく対応し、ホームセンターの定番商品は引き続き旺盛な需要に支えられています。

足元では長引く天候不順や消費財大量買い込みの反動もあり、夏物商品と日用品を中心に足踏み状態になっていますが、総じて全体需要は底堅く推移しているものと認識しています。

商品グループ別売上高

商品グループ別売上高についてご説明します。住まいの分野は、特殊要因のない2019年6月期比で約30億円、およそ5パーセントの増収で、特にガーデン・ファームとインテリア・リビングが好調でした。通年ではスローペースであった住宅リフォーム関連についても、四半期を追うごとに、徐々にではありますが回復してきています。

生活の分野では、燃料部門の事業譲渡に加えデイリー・日用品が減収でしたが、高付加価値商材投入により利益では前期並みでした。また、ペット・レジャーは2020年6月期比でも約1割の増収で、最も牽引したカテゴリーであったと言えます。

売上総利益および販管費

左のグラフのガソリン・灯油を除く商品分野別売上総利益についてご説明します。ダイナミックなマーチャンダイジング・ミックスを実行し、全社の売上高総利益率と売上総利益額はともに改善を果たしました。2019年6月期比では合計で約30億円、2.2ポイントアップです。

右のグラフの販売費および一般管理費においては、新たなハイブリッド型のワークスタイルやDXがコスト削減に寄与しており、特に広告宣伝費や総労働時間の削減に直結しました。

その他項目に関しては、昨日公表の決算説明会資料の中の付属資料をぜひご確認いただければ幸いです。

収益構造改革と今後の見通し

続きまして、2022年6月期の業績予想と、株主のみなさまへの還元についてご説明します。まず、2011年6月期以降の中長期的スパンで業績の推移についてご説明します。左の売上高のグラフのとおり、減収トレンドはストップしました。

その一方、右のグラフのとおり、営業利益は力強いV字回復の軌道を描いてきています。2018年6月期から自主独立の経営となり、それと同時に構造改革にチャレンジしてきた成果が地味ながらも着実に出始めており、みなさまのご支持のおかげをもって、収益体質は徐々に変化しています。

PL 通期業績予想

通期業績予想についてご説明します。今後、ニューノーマルによる需要は定着化し、中長期的に底堅く継続するというのが当社の前提です。新規出店についてはすでに公表済みで、計画中の案件や初期検討段階の案件などさまざまなものがありますが、個別には今期の予想に織り込んでいません。

また、今期から「収益認識に関する会計基準」の適用により、売上高で約20億円分が下押しされます。売上・利益とも横ばいを超えた実質増収増益を実現していきます。

なお、上半期と下半期に分けた業績予想については、付属資料をご確認ください。

株主還元 1/2 配当予想

株主還元についてご説明します。まずは配当です。2021年6月期の期末配当について、配当金を18円と、予想比で1円の増額とします。中間配当の15円50銭と合わせて、年間合計で33円50銭と、前期比で3円の増配です。

なお、今回の期末配当から支払開始日を早期化します。前回の定時株主総会で決議のとおり、取締役会決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めています。

過年度までは9月中旬に開催の定時株主総会の翌日であった支払開始日を、今年は8月31日とします。さらに、今期の配当予想については、年間で42円、前期比で8円50銭のプラスで、上場来8期連続での増配を予定しています。詳細は、昨日公表の適時開示をご覧ください。

株主還元 2/2 自己株式

昨日の適時開示で公表した自己株式についてご説明します。この度、保有する自己株式の消却を決定しています。 詳細は公表のとおりで、発行済株式総数の5パーセントを残しすべてを消却します。同時に、自己株式の取得等の方針を新たに決定しています。

当社は、資本効率を高め、1株当たり利益の増大を図ることを目的として、自己株式の取得およびその消却を、機動的かつ継続的に実行する予定です。

未来を見据えた2022年6月期の位置づけ

最後に、2022年6月期の方針をご説明します。

今期の位置づけについてご説明します。当社は、創業50年に当たる2025年6月期を最終期とする3ヶ年の中期経営計画を、1年後の2022年8月を目途に公表する予定です。今期は将来に向けた投資を積極推進し、次の成長ステージに向かう準備を進めていきます。

今期事業方針と重点施策

今期の事業方針と重点施策です。今期は、ジョイフル本田らしい「痛快第一主義」をテーマに掲げ、新たな挑戦と投資を始動します。

3つの重点施策として、「1.売上高伸長への再挑戦」「2.収益構造改革の継続推進」「3.未来へ向けた積極投資」に取り組み、より一層の独自性志向による差別化を図ります。

組織変更と人事刷新

今期の新組織図です。組織変更のポイントは3点で、「環境変化への機動的な対応」「売場融合によるシナジー効果の発揮」「オペレーション改革の継続推進」です。組織を一層スリム化し、施策の実行力の強化を図ることができる体制としました。

売上高伸長とマージン改善

売上高伸長とマージン改善においては、他の流通業態では見られないような独自性を発揮し、売場融合によるクロス・マーチャンダイジングと、バラエティに富んだ生活提案をベースに、さらに進化していきます。

「非計画消費」と「計画消費」のどちらにもいつでもお応えできることを最大の強みとして、「地域一番店の集合体」であるジョイフル本田は、圧倒的品揃えと価格・サービスでみなさまのご期待に応えていきます。

コストコントロールの徹底継続

コストコントロールの徹底継続です。店舗オペレーション改革の継続推進、PMI推進によるコスト面における合併シナジーの発揮、DX推進による業務効率アップと迅速化を中心にオペレーションコストの最適化に取り組み、「働き方改革」促進と「最適直間比率」の実現を目指します。

未来に向けた積極投資の推進

最後に、未来投資の積極推進について、3つの方向性をご説明します。継続的な新規出店を可能とする業態の開発と、居抜き物件を中心とした店舗開発の促進、次に、アライアンス・シナジーや非連続的な成長機会の探求に基づく新たなコア事業作り、そして、SDGsとESGによる「企業価値向上」の取り組みの3点です。

新たなESGの取り組み事例

新たに始めたESGの取り組みについてご紹介します。当社は7月より、「一般社団法人盲導犬総合支援センター」と連携して、盲導犬への理解・関心・支援を広める活動を始めました。今後も社内外に向けて有意義な情報発信と支援活動を継続していきます。

以上で、私からの説明は終わります。ご清聴ありがとうございました。

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