筆者は個人向け資産運用のサポート業務に従事していますが、年金についての質問を受けることがあります。
多くは「将来受け取れる年金額が不安なのでどうしたらよいか」といった相談ですが、政府は、2019年10月より年金が少ない方を対象に「年金生活者支援給付金」を支給しています。
「年金生活者支援給付金」はすべての年金受給者が対象ではなく、年金を含む収入が一定基準を下回るなどの条件を満たす場合が対象となっており、送られてくる「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」での請求が必要となります。
現役世代の方の中には「年金生活者支援給付金」について聞いたことがないといった方もいるかもしれません。
そこで今回は、「年金生活者支援給付金」を受給できる要件や、給付金額を確認していきたいと思います。
併せて、現在の60歳・70歳代・80歳代がどれくらい年金を受け取っているのかもチェックしていきたいと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」の対象や申請方法とは?
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金等の収入金額や所得が一定基準額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される制度です。
この制度の具体的な対象者を確認していきましょう。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が87万8900円以下※2
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 77万8900円超87万8900円以下は「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給
このすべての条件に該当する人が給付金の対象になります。
続いて、具体的な支給額を早見表でチェックしましょう。