米利上げ決定でドル高、日欧株の上昇が目立った1週間

2016年12月12日‐12月16日の世界市場は、米利上げが決まりドル高が進みました。米株はドルベースではわずかに下落しましたが、円ベースでは円安効果で上昇しています。日欧の株価は現地通貨で上昇した一方、中国・ブラジル・メキシコの株式市場は軟調でした。

トランプ氏の米大統領選勝利後に始まった株式市場のラリーは、クリスマスラリーとして見ると終盤に入りました。一本調子の上昇相場でしたので、日本の個人投資家は日本株の個別株を買い増すよりも一貫して売り越し姿勢でした。では、投信ではどのような銘柄を選んできたのか、今回は楽天証券とマネックス証券の週間売れ筋ランキングを見てみましょう。

楽天証券の2016年12月12日‐12月16日の週間売れ筋ランキングを見る

まず、楽天証券の全体売れ筋ランキングのトップ5を見てみましょう。

第1位:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)

第2位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

第3位:楽天日本株4.3倍ブル

第4位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第5位:フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)

マネックス証券の2016年12月12日‐12月16日の週間売れ筋ランキングを見る

次に、マネックス証券の全体売れ筋ランキングのトップ5を見てみましょう。

第1位:楽天日本株4.3倍ブル

第2位: ニッセイ日経225インデックスファンド

第3位:日経225ノーロードオープン

第4位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

第5位:グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)

再び人気の毎月分配型投信はベースの資産が多様に

いかがでしょうか。

人気投信は日本株インデックス関連投信と毎月分配型投信に集中しています。

日本株インデックス関連では、オーソドックスな日経225連動型ファンドとブル型ファンドが人気で、日本株の先高観を映しているようです。

一方、毎月分配型では、まず日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)が両社のランキング上位に入りました。日経平均のダウンサイドリスクを取りつつ、しかも株価のアップサイドを一定程度放棄する代わりに株式配当とオプション料を受け取るという点では、日本株に対して弱気ではない相場観を持つ投資家向けと言えます。ただし、同ファンドはさらに円を売ってブラジルレアルを買うポジションも取る、よりハイブリッドな設計になっています。

また、楽天証券の第1位に2016年10月20日付の記事で採りあげたニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)が入りました。世界の好配当株に投資し、配当を受け取りながら株価のダウンサイドリスクを取りつつ、株価上昇の一定部分を諦めるかわりにオプション料を稼ぐもので、ベースの資産を配当の良い世界の株式にしているところがポイントです。

最後に、フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)やグローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)など海外リート型がランクインしています。

以上をまとめますと、今、個人投資家はストレートに日本株インデックスを買うだけでなく、毎月分配型投信にも食指を伸ばしています。毎月分配型投信の人気再燃をよく見ると、日本株ベースのもの、世界の好配当株ベースのもの、海外リートベースのものと多岐に分かれてきました。世界的な金利上昇・株高という相場観を反映し、毎月分配の原資を幅広く探しているように思います。

ぜひご参考になさってください。

 

LIMO編集部