「60代世帯・貯金2000万円超」は何割?
先ほどご紹介した「平均・中央値」だけでは、60代世帯の貯蓄事情のすがたを把握することはできません。金融資産保有額の分布にも目を向けながら、平均・中央値からは分からない部分にフォーカスしていきます。
同調査で、「金融資産を保有していない」と答えた世帯を含めたデータ(①)と、「金融資産保有世帯のみ」のデータ(②)に分けて見ていきましょう。
「60代・二人以上世帯」金融資産保有額の分布
①「金融資産を保有していない世帯」を含む
- 100万円未満:3.5%
- 100万円以上500万円未満:15.3%
- 500万円以上1000万円未満:12.8%
- 1000万円以上1500万円未満:7.5%
- 1500万円以上2000万円未満:6.3%
- 2000万円以上:32.9%
- 無回答:3.3%
②「金融資産保有世帯」のみ
- 100万円未満:4.3%
- 100万円以上500万円未満:18.7%
- 500万円以上1000万円未満:15.7%
- 1000万円以上1500万円未満:9.2%
- 1500万円以上2000万円未満:7.7%
- 2000万円以上:40.3%
- 無回答:4.0%
「貯蓄額2000万円以上」と回答した世帯は、金融資産を保有していない世帯を含めると全体の32.9%、金融資産保有世帯のみであれば全体の40.3%となっています。
「2000万円以上保有している」と回答した人の多くが、若いころからコツコツと資産形成を続けてこられたみなさんでしょう。加えて、定年退職金の受取り、相続や贈与などによって貯蓄額が増えている世帯も一定数あるはずです。
お金の「貯め方」「増え方」は世帯の事情によって異なりますが、老後の入り口とも言える60代の時点である程度まとまった資金をキープできていることは、その後のセカンドライフの安心感を左右するともいえそうです。
ここでふと、「2000万円で本当に老後を乗り切れるの?」「なぜ、老後”2000万円”といわれるのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
そこで、次では、冒頭でも少し触れた「老後2000万円」について、詳しく見ていきます。