「小学生は遊びが仕事」というのは昔の話。かつては放課後になると玄関にランドセルを放り投げて遊んでいた小学生たちも、令和の時代には様変わり。中には週に5日は塾通い…と、大人も真っ青なハードスケジュールというケースもあるといいます。
小学生が塾に通うのは当たり前の今ですが、中学受験に挑む我が子を応援しつつも「ちょっとしんどい…」と思っているママもいるようです。今回は子供たちの塾事情に翻弄されているママたちに話を聞きました。
小学校高学年になると塾通いが当たり前?
ベネッセ教育総合研究所が2009年から4年に一度実施している「学校外の教育活動に関する調査」。これは1万6000人規模の全国サンプリングの調査です。
2017年の調査結果では、過去1年間で定期的に塾や教室に通っている割合は、小学6年生全体で54.4%(男子51.8%、女子56.4%)。小学校1年生では全体で40.8%ですが、学年が上がるごとにその割合は増え、4年生になると5割を超えます。
また、同調査の企画・分析メンバーである木村治生氏のレポートによると、小学校低学年のうちは英語教室やプリント塾などに通う子供が多く、中学年から進学塾に通う子供たちが増加。小学校6年生になると、何らかの塾・教室に通っている子供たちのうち、およそ30%が進学塾に通っているというのです。
では、私立中学に通う子どもの割合はどのくらいなのでしょうか。これは地域によってかなり差があるようです。
公益財団法人生命保険文化センターが文部科学省の「令和元年度 学校基本調査」を元にまとめたところによると、私立中学に通う割合トップ5は以下の通り。最も多いのは東京都の25%となっています。
1. 東京都:25.0%
2. 高知県:18.1%
3. 京都府:13.1%
4. 奈良県:12.6%
5. 神奈川県:11.1%
子供のためだとはわかっているけれど…
もちろん子供たちが望むのなら、塾に通わせてあげたい、子供が私立中学進学を望むのなら、しっかりとサポートしてあげたい、と言うのが親心。でも、正直親も「しんどいな…」と心が折れそうになる瞬間があるようです。
「我が家は別段裕福な家庭ではありません。中学受験なんてまったく想定していなかったのですが、息子が友達に触発されて、自分も私立の中学に行きたい、と。本人が望むのなら頑張って!応援するよ!とは言っていますが、正直家計が火の車…。このご時世、パートの時間も増やせないし、節約節約がちょっとしんどいな…と思うことがあります」(40代/小学5年生の男の子のママ)
「娘が通っている進学塾は電車で片道20分。送迎用のバスもなく、私は運転免許を持っていません。帰りが夜遅くなるので私が付き添っているのですが、正直『もっと近くの塾に変えてほしいな』と思うことがあります。でも、娘が選んだ塾だし、何よりものすごく頑張っているので、口が裂けてもそんなことは言えませんが」(40代/小学4年生の女の子のママ)
「息子は週に5回、お弁当を持って塾に通います。たまに、お弁当を作りながら涙が出そうになります。育ち盛りで食べ盛り、できたてのご飯を食べさせてあげたいな…と。もちろん頑張っている息子にそんなことは言いませんが。塾がない日は、ついつい息子の好物をたくさん作ってしまいます」(30代/小学5年生の男の子のママ)
「塾のテストの結果が悪く、『こんなに頑張っているのに、もうしんどい、やめたい』と号泣する娘の背中をさすりながら、私も涙があふれてきて…。思わず『もう、受験やめてもいいよ。高校で頑張ったらいいんだよ』と言ってしまいました。でも、娘は、私の言葉で逆に肩の力が抜けたのか、『もう少し頑張る』と。正直、毎日勉強勉強、の娘の姿を見ていると、私が辛くなってしまいますが。努力の先には明るい未来が待っていると信じています」(40代/小学6年生の女の子のママ)
「中学受験をしたい、と娘が宣言。軽い気持ちでOKしたけれど、こんなにも大変なのかと驚愕しています。家計はもちろんですが、毎日勉強、勉強で…。正直、娘のスケジュールを見ていると、母親の自分が心折れそうになれますが、何一つ弱音を吐かずに頑張っている娘。強い子に育ったなぁ、とわが子ながら誇りに思います」(50代/小学5年生の女の子のママ)
おわりに
中学受験は親子でしっかりと目標をひとつにして、二人三脚で挑まなければなりません。子供はもちろん、サポートするママやパパも心が折れそうになる瞬間はたくさんあるでしょう。そう考えると、中学受験とは、いわば「親子の受験」。結果はともあれ、血のにじむような努力の先には必ず得るものがあるはずです。
参考資料
- 学校外教育活動に関する調査2017(ベネッセ教育総合研究所)
- データで語る日本の教育と子ども(CRN:チャイルド・リサーチ・ネット)
- 私立中学校に通う割合はどの程度?(公益財団法人 生命保険文化センター)
大中 千景
