リスクモンスター株式会社が2021年3月に公表した、第7回「就職したい企業・業種ランキング」調査によると、その1位には地方公務員、2位には国家公務員がランクインしています。

公務員は、安定のイメージや社会貢献度の高さなどから、「親が子どもについてほしい職業」としてもしばしば上位にあがりますね。

その中でも国家公務員は、テレビドラマなどでも取り上げられることが多く、エリートで高収入、といったイメージを持たれることが多いかもしれません。

私は前職の証券会社で富裕層向けのコンサルティングの経験があります。国家公務員の方ともお話をさせていただく機会が多くありました。

今回はその経験を踏まえて、高収入なイメージのある国家公務員と、会社員の退職金について、比較しながら見ていきましょう。

「公務員」とは

まず、冒頭見ていただいたように、公務員は、「国家公務員」と「地方公務員」に分けることができます。

「国家公務員」は、国全体を視野に入れ国全体に関わる業務を行う公務員のことをいいます。具体的には、政策立案、予算編成、法令整備、国会対応、統計調査など、国家の運営に直結する大きなプロジェクトに携わります。

「地方公務員」は、都道府県庁・市役所・区役所などで地域に密着した業務などを行なう公務員のことをいいます。具体的には、健康の促進、環境整備、教育や福祉の充実、文化やスポーツ活動の推進など、住民の生活をよりよくするための仕事に深く携わります。

また、2020年10月人事院の「国家公務員給与の実態」によると、国家公務員は約58万6000人います。このうち人事院の給与勧告の対象となるのは、「給与法の適用を受ける一般職の国家公務員」の約27万8000人です。

では、そんな国家公務員の方々は、いくら退職金を受け取れるのでしょうか。

国家公務員の平均退職金額はいくらか

内閣官房 内閣人事局「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」によると、国家公務員の退職金は以下のようになります。

退職理由別退職手当平均支給額

常勤職員

  • 定年:2090万6000円
  • 応募認定:2588万1000円
  • 自己都合:316万1000円
  • その他:201万6000円

うち行政職俸給表(一)

  • 定年:2140万8000円
  • 応募認定:2278万円
  • 自己都合:362万7000円
  • その他:265万8000円

国家公務員は退職事由が定年か応募認定であれば、2000万円以上退職手当を受け取れるようですね。