70代以上の貯蓄はいくら?

次に、70歳以上の貯蓄についてもみていきましょう。

金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」をもとにチェックしていきます。

まず、二人以上世帯の金融資産保有額(20代~70代以上、金融資産を保有していない世帯を含む)は平均1436万円(中央値650万円)です。

このなかで70歳以上だけをみると、金融資産の保有額は平均1786万円(中央値1000万円)です。

全世代より、平均・中央値ともに70代以上は大きく上回る結果となりました。

※中央値とは、数値を順に並べたときに、真ん中に位置する数値のこと。すべての数値をならした平均値より、実態により近いデータと言えます。

70代以上の貯蓄の中身を細かく見る

では、この「1786万円」の内訳はどうなっているのでしょうか?60歳代の平均額と比較してみましょう。

※【 】内は60歳代を記載、右隣の数字は70歳以上と60歳代の差分。

■預貯金(うち運用または将来の備え):921万【959万円】-38万円

・うち定期性預貯金:723万円【585万円】+138万円

■金銭信託:4万円【5万円】 -1万円
■生命保険:333万円【286万円】 +47万円
■損害保険:49万円【39万円】 +10万円
■個人年金保険:65万円【134万円】 -69万円
■債権:35万円【45万円】 -10万円
■株式:226万円【144万円】 +82万円
■投資信託:129万円【96万円】 +33万円
■財形貯蓄:14万円【27万円】 -13万円
■その他金融商品:9万円【11万円】 -2万円

合計:1786万円【1745万円】 +41万円

60代と比較して、70才以上で多いのが株式や投資信託といった運用性の高い資産です。運用期間が長いほどリターンが安定してくるのが投資の原則ですが、その効果が数値に表れているのかもしれませんね。

一方、減少が大きいのが個人年金保険となっています。これは年金の受給者が増えていくことが背景にありそうです。