減価償却とは?
この違和感は「減価償却」という考え方で説明することができます。
スマホは使い続ければ、その価値を長くとどめておくことができず、2年もすると売却価格は大幅に安くなっています。例えばスマホの価値が2年後に1万円になっているとすると、7万円の減価ということです。
会社の経理では、こうした資産の減価を決算期ごとに経費として計上します。これを「減価償却費」と呼ぶのですが、家計の損益計算書やバランスシートでも同じことが起こります。
さすがに毎月の家計簿でスマホの減価償却費を計上することは計算の手間もあり面倒なので細かくは計上できませんが、家計では資産であったスマホに計上していた8万円を、2年後に、例えば1万円など、価値を減らす作業が必要になります。
2年後の価値が1万円だとしたら、7万円の資産が減ることになります。同時に資本も7万円減ることになります。
ここで重要なのは、将来の収入になる「資産(預金)」がスマホを購入したことによって8万円減り、その価値(スマホ)は1万円になっているという事実です。
スマホを買ったのだから、その購入代金として8万円が減るのは当たり前ではありますが、少し見方を変えてみると、将来の収入になりやすいもの、なりにくいものを見分けるということにもつながります。
スマホは我々の生活になくてはならないもので、持つことにより生活を豊かにしてくれます。
一方、スマホを「資産」という観点から見ると、買った瞬間の価値がピークで、大体の場合、数年後に価値が急激に下がってしまいます。
資産にはいろいろな種類があって、先にあげたスマホのような耐久消費財もそうですし、現金や預貯金はもちろん、不動産、美術品、金などもあげられるでしょう。資産には、いろいろな種類があるのです。