製造業以外でも活用できる「ものづくり補助金」

国の補助金をうまく活用すれば、ビジネスで大きなチャンスをつかむことも可能です。今回は、そんな補助金の中でも、特に大型の補助金である「ものづくり補助金(革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金)」について解説します。

ものづくり補助金とは、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善などを行う中小企業を支援するための補助金です。

「ものづくり」と聞くと製造業だけの補助金と思いがちですが、そんなことはありません。これまで世の中にないような革新的なサービスの開発も含まれるため、ITやサービス業を始め多くの会社にチャンスがあります。以下にポイントをお話ししていきます。

革新的サービス、ものづくり技術が主な補助対象要件

【概要】

国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関※1と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者を支援するものです。

【補助対象者】

日本国内に本社及び開発拠点を持つ中小企業で、資本金と従業員数が法律で定める規定以下である必要があります。

資本金と従業員数は、たとえば「製造業、建設業、運輸業」では資本金「3億円以下」、常時雇用する従業員数「300人以下」となります。従業員数が「50人以下」の場合は全業種で対象になります。

業種ごとに細かく規定があるので、自社が該当するかどうか確認が必要です。

【主な補助対象要件】

革新的サービス、ものづくり技術の2つの類型があります。

1.革新的サービス

革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3~5年計画で、「付加価値額(=営業利益+人件費+減価償却費)」年率3%及び「経常利益.」年率1%の向上を達成できる計画

2.ものづくり技術

特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させる計画(3~5年計画で「付加価値額」及び「経常利益」の増大を達成する計画)

それぞれ一般型、小規模型、第四次産業革命型があります。

小規模型は500万円、一般型は1,000万円、第四次産業革命型は3,000万円が補助されます。小規模型と一般型は、雇用を増やし賃金を5%以上増やしたり、最低賃金を引き上げたりすると補助金の上限額を引き上げることができます。

なお、第四次産業革命型には「IoTやAI、ロボットを用いた設備投資」が必須です。

【募集締切】

平成29年1月17日(火)[締切日当日消印有効]

※1認定支援機関とは
認定支援機関とは、起業家やベンチャー企業が安定して経営相談等が受けられるために、専門的知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定した機関です。ものづくり補助金の応募には認定支援機関の支援確認が必要です。
顧問税理士などが認定支援機関であれば、そこの確認があれば応募できます。認定支援機関によっては確認に時間を要する場合があるので、早めに事業計画書を作成し打診しましょう。

 

中野 裕哲