みなさんは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」をきちんと確認されていますか?
私は、これまでファイナンシャル・アドバイザーとして、数多くのお客様のファイナンシャル・プランニングを担当させて頂きました。
そのなかで、多くのお客様が老後に不安を抱えていらっしゃいましたが、ねんきん定期便にしっかり目を通されている方は、意外に少なかったように思います。
「見方がわからない」「どうせ年金はそんなに貰えないから」と、ねんきん定期便が届いても内容にあまり気を留めていない方もいらっしゃいました。
しかし、年金は老後の重要な収入源のひとつです。生活の柱となる年金額を把握することは、老後の生活設計をたてる上で欠かせません。
そこで今回は、現在のシニア世代がどれくらい年金をもらっているかを確認しながら、ゆとりある老後生活について考えていきたいと思います。
日本の年金制度
日本の公的年金制度は「2階建て構造」などと表現されますね。
「国民年金(基礎年金)」と呼ばれる1階部分と、主に「厚生年金」から構成される2階部分です。
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものとされており、日本の公的年金制度を支える土台になります。
一方で、厚生年金は公務員や会社員などが国民年金に上乗せして加入するものです。
したがって、会社員や公務員の方は、老後に国民年金と厚生年金の両方を受け取れますが、自営業やフリーランス、専業主婦などは国民年金のみの加入となっている方も多く、将来の年金受給額に差が出やすい部分にもなります。