人気の『変なホテル』に泊まってみた

先日の記事でご紹介した佐世保バーガーを堪能した後、筆者はハウステンボスに移動し、噂の『変なホテル』に宿泊しました。

近未来のホテルの姿を占う、大変面白い試みのホテルでした。しかも、今後のエイチ・アイ・エス(9603)を牽引する中核事業の1つだと筆者は見ています。そこで、その印象を簡単にご報告したいと思います。

とはいえ、ホテルの内容を赤裸々に語ることは、まだ見ていない人に映画の顛末を教えてしまうのと同じになってしまいます。極力ネタバレはしませんので、その点を予めご了承ください。

変なホテル=未来志向のホテル

筆者は、ハウステンボスと変なホテルの運営ノウハウはエイチ・アイ・エスにとって大変重要な経営資産になっていくと考えます。

インターネットが普及し、消費者と航空会社や宿泊施設が直接つながることが可能になった現在、旧来型の実店舗主体の旅行業の成長余地は限られてしまうかもしれません。一方、日本は少子高齢化が進んで働き手が減る中、観光立国を推進して経済を活性化する必要に迫られています。

こうした環境認識を踏まえると、省人化しつつも学習を続けるホテル運営ノウハウは有力な競争力につながります。エイチ・アイ・エスが今これらの事業に力を入れるのは大変合理的に思われます。

変なホテルは、未来志向のビジネスモデルを目指していると言って差し支えないでしょう。

変なホテルは清潔で静かな、さわやかな目覚めを約束するホテルだった

ちなみに筆者が宿泊した際、チェックインからチェックアウトまで完全無人化されているため、ホテル従業員の方とは一度も顔を合わせていません。設備も新しくきれい、さまざまなロボットが活躍していますが、それほど気になることはありません。もちろん屋外の環境も素晴らしく、大変よい目覚めになりました。

筆者が感じた3つの課題

とはいえ、筆者にはこのホテルは近未来ホテルの「原形」にすぎないと感じられます。まっとうな部分での進化が問われます。3点ほど挙げてみましょう。

第1はホスピタリティ。実は、廊下の掃除ロボットが夜11時くらいに盛大な音を立てて清掃をしていました。人間が清掃するなら常識的にあり得ない時間です。また、宿泊者の多くはハウステンボスの観光をしたばかり、あるいはこれからする観光客でしょう。もう少し観光のサポートをしてくれてもいいはずです。

第2はプライバシー。筆者の利用した室内には小型のロボットがいましたが、どうも24時間監視されているようで気になって仕方ありません。プライバシーについてもう少ししっかり説明が必要でしょう。

第3はカスタマイズ。宿泊者それぞれのバックグラウンドや宿泊ニーズをもう少し個別に汲み取って分析し、積極的なコンシェルジュ機能を果たしてくれると嬉しいです。

こうした課題がさらに改善すれば、大変面白いホテルになることでしょう。今後の変貌も大いに期待されます。

筆者も、次回の宿泊の機会を今から楽しみにしたいと思います。

 

LIMO編集部