1人暮らしの割合が高い国公立
また、自宅から通える範囲内に子供が志望する大学があれば良いのですが、なかなかそうはいかないものです。文部科学省の「令和2年度学校基本調査」によると、全国にある大学数は795校で、その内訳は国立86校、公立94校、私立615校。
その多くが大都市圏に集中していることを考えると、地方住まいの場合自宅から通える場所にある大学はかなり限定されるでしょう。まして、私立に比べて数の少ない国公立大学の場合は、親元を離れた一人暮らしになるケースは少なくないでしょう。
実際、日本学生支援機構の調査でも、自宅から通学している学生は、私立が64.5%なのに対して国立は33.8%、公立は43.8%。国立大学では約7割が自宅以外という結果になっていますので、大学進学の資金準備には学費だけでなく生活費が必要になることも頭に入れておく必要があります。
おわりに
経済的なことだけを考えると、小学校から大学まで公立・国立で進んでくれたらと助かるのにと、ついつい考えてしまいます。しかしながら、難関を突破するためには相応の投資も必要だということを、親自身も認識しておかねばならないでしょう。
また、大学費用にばかり目が行きがちですが、選ぶ大学によっては一人暮らしなど学費以外のお金が必要になる場合もあります。国公立に進学できたとしても決して安くはない教育費、準備するのに早過ぎるということはありません。子供の進路希望に合わせ、計画的な対策を練ることが大切だといえそうです。
参考資料
- 令和2年度学校基本調査(確定値)の公表について(文部科学省)
- 令和元年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果(文部科学省)
- 国公私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
- 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(文部科学省)
- 平成30年度学生生活調査結果(独立行政法人 日本学生支援機構)
- 2019年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
中野 令子